ほえる犬は噛まない

たったいままで、見てました。

いやぁ、すごい映画だ。

韓国の若き巨匠、ポン・ジュノの長編デビュー作。グエムルにも出てた女優が
出てる。

ヘンテコな映画。考えてみたらオグラは、ヘンテコな映画が、異様に好きみたい。

このペ・ドゥナっていう女優、よく考えたら、めがねに出てた市川実日子と同じタイプの
魅力を持った女優だわな。ちょっとクールで、ちょっと抜けてて。いまはやりの
森ガールっていうのとは、ちょっと違うんだろうけど。

この「ほえる犬は噛まない」って、何年だろう。
日本公開が2001年かぁ。いまから8年前。

最後に近い、屋上のシーン。ちょっとだけ、小栗康平監督の「伽倻子のために」に
ちょっと似てた、気がする。あと気のせいかもしれないけど、ところどころ、
「バタアシ金魚」へのオマージュ?という感じのシーンを見つけた。

主人公の男がカラオケで歌ってるの、パトラッシュと歩こう♪だもんな。

昨日、まいみくのらおぶりさんとも話したけど、なんか韓国って、もうひとつの日本
って感じで、たまにいくと、変な感じだよね。日本にそっくりなんだけど、日本語が
通じないし、クルマは右側通行だし、日本車は全然走ってないし。いまはわかんない
けど。もう5年以上行ってないなあ。

それにしても、すごい映画ですよ。比べたらいけないかもしれないけど、こないだ見た
「めがね」の100倍はおもしろいですね。

映画は娯楽ですよ。第一級の。その娯楽のうえに、いろんなメッセージを少しずつ
盛り込んで、娯楽と一緒に飲み込んでもらおう、っていう。ギリギリお説教にならない
くらいにね。

韓国でも犬を食べるんだよね。けど、この映画を見てると、犬が食用からペットに
だんだん変わってきてる韓国社会の様子が、なんとなくわかるような。それから、
この監督は、必ず映画に周縁の人々を登場させるよね。どういうこだわりなんだろう。

はぁ。ポン・ジュノが撮った4本の映画、全部見てしまった。
どれがいちばん好きかと言われたら、この「ほえる犬は噛まない」か、「グエムル」
かなぁ。いちばん苦手なのは、いうまでもなくこないだ見た「殺人の追憶」。
最新の「母なる証明」を思うと、あとになればなるほど、完成度っていうか、どんどん
作品の作りが深くなってるんだろうけど、この「ほえる犬は噛まない」とか「グエムル」
みたいな、この監督が撮った、わかりやすい娯楽長編も、また見てみたいな。

いやぁ、しかし、映画っておもしろいですね。いい映画であればあるほど、
見終わったあとで、不思議な和音が体の中で鳴ってる。

今日TSUTAYAで借りてきたもう1本は、じつは超シリアスな映画。
「麦の穂をゆらす風」。アイルランドの独立戦争を描いた、ケン・ローチ
監督の感動巨編。

明日見よう。

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