話し言葉と書き言葉

今回の単行本は、複数の方々へのインタビューを、地の文にしてまとめる、という
ものなのですが、なんだか作業を続けていくなかで、話し言葉と書き言葉の大きな
違いというものについて、あらためてしみじみと感じ入っているところでございます。

去年出した単行本は、インタビューをまとめたもので、話し言葉をそのまま、というと
微妙に違っていて、ふつうに話しているくだけた完全話し言葉を、だいぶカチッとした
話し言葉調?に直してある、といったものだったんだけど、いまやってるのは、先にも
書いたように、ときどきカギ括弧内の台詞はあるんだけど、でもほとんどは地の文に
せねばならぬのであって。

10人ほどの方々へのインタビューのテープ起こしは、予算の都合で、ぜんぶ自分で
やった。で、僕のクセで、テープ起こしは可能な限り、その人の発言に忠実にしたい
というこだわりがある。けど、最終的には地の文に、書き言葉に変換するのだから
テープ起こしの段階で、下ごしらえ?みたいなのをやっておけばよかったんだ。
まあ、あまり早い段階でそうしてしまうと、発言者の元の発言の忠実なニュアンスという
のが、失われてしまうというウラミは、ないことはないのだが。

べつに自分がえらいとかじゃなくて、まだこれから何重ものチェックというか校正を
経ないと本として成立しないのは重々承知で、それを踏まえて敢えて言うんだけど
インタビューのテープ起こしをノンフィクションとして成立させるには、そうとうに脳みそを
使わないと無理だわ。

そんなこともあって(?)、副編が参考に、とスズキの社長の本を送ってくれたんだけど
この本と、あとはいま話題の「奇跡のリンゴ」、これはちかぢか急いで読んでみようと
思っている。最近は原稿の手直しばかりで、ちゃんとした本を、キチンと読んでないという
情けない状況で。本当に、申し訳ないというか、情けない。

これはまあ我が儘というか贅沢な話なのかもしれないけど、なかなか本を静かに読む
環境って、なかなか手に入れるのは難しいよね。いまの僕でいえば、築35年の我が家
では、どこにも本を落ち着いて静かに読むスペースってないし、最近は自宅作業が
多いので、電車に乗って揺られていくこともほとんどないし、いっぺんやってみようと
思っているのが、イオン津田沼の喫茶コーナー(といえばいいのか)。
たぶん、宿題をやってる女子高生や、おしゃべりしてる子ども連れのお母さんたちとかも
いるんだろうけど、たぶん午前中は比較的すいてると思うので、クルマでブーンって行って
窓から降り注ぐ日の光を浴びながら、好きな本を思う存分に読む、という時間は、至福の
ときだと思うぞ。

いちどやってみようとずっと思っているのだが、目の前の課題に追われるばかりで
なかなか実現できずにいる。

そういえば今日、じゃなくて昨日か、ある大好きな友人に、めちゃめちゃ感動した
映画をメールで薦めたら、すぐにお返事が返ってきて、時間があったら見てみますね
って。たぶんこれは時間がなかったら見ない、ということだと思うんだけど、よく考えたら
僕は人から薦められた本とか映画とか、基本的にはあんまり見たり読んだりしない人
なので、そうやって考えると、その友人のことも責められはしないのだが、まかり間違って
その映画を見てくれたら、たぶんきっと気に入ってくれると思うので、友人が映画を
見るかどうかは、たぶんきっと、僕のこのあと数日間の、祈りいかんではないかと
かように思うわけでございます。

今日はひさしぶりに愛機のD3とD700が火を噴いた。
男子女子中高生の集合写真を撮ったのだ。めちゃめちゃ疲れた。

集合写真って、撮るの、ホントたいへんだよね~。だから、それだけのための
プロがいるわけだし。

なんか今日、集合写真のプロフェッショナルを目指してみようかな、と思った。
前からうすうす思っていたのだが、今日初めて、ハッキリと思った。
とはいえ、営業写真館を目指すわけではない。人を撮るということについて、
もっと多面的に、重層的に、根源的に、あるいは、●●的に、考え直してみようかと
思った。

今日撮った記念写真、昔から知ってる男の子、女の子もいっぱい被写体にいたんだけど
なんか、自分が知ってる人たちが、元気に成長してる姿を見るのって、涙が出るほど
素晴らしいことだね。

そのことを今日、いちばん感じた。

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