「きっと、うまくいく」みた。

きっと、うまくいく(字幕版)、見た。

この映画を見たのは、3回目。いずれも自宅。今回見たのは2年ぶりくらいだったかな。Amazonプライムで、何を見ようかな、と考えて、いろいろ考えたんだけど、なんとなくこれが見たくて、見ました。

宮本輝の珠玉の小説「優駿」に、馬は自分が食べたい草を食べる、みたいな箇所が出てくるけど、同じことを思うなあ。人間は無意識に、いま自分が必要としてる栄養をいっぱい含んだ映画を見るんだと。

いや、ほんと、最高ですよ。とにかくストーリーがすばらしい。3時間と長尺だけど、ぜんぜん飽きさせない。ところどころに出てくるミュージカルっぽい歌と踊りのシーンとかも、あたしはすごく好き。3回目にして、あ、ここはここにつながってるのね、というところが、いくつかあり。いい本もそうだけど、いい映画も、何度見てもいいよね。何度見ても、同じところで感動できる。

こないだ見た「パラサイト」、一昨日見た「わたしはダニエル・ブレイク」、昨日見た「万引き家族」を映画の出来としては、軽く凌駕してると思うなあ。なんていうのかなあ、映画としてのスケールが違う。もちろん扱ってるテーマが違うから、同列には論じられないのかもしれないけど。

あー、書いてたらウイスキーが飲みたくなってきた。買いに行くか。いま0:41。

ちょっと行ってくる。

行ってきた。また1500円も散財してしまった。イオン謹製のウイスキー、税込600円。安くて美味い。

それはそうと、「きっと、うまくいく」、こんなスケールがでかくて普遍的なことを訴えていてゴキゲンな映画、少なくとも現代の日本では、見たことがない。

ずっと昔、某世界的なIT企業のニュースアプリの編集をやってたとき、某通信社でインドの支局に勤めてた女性の編集長と会食する機会があったんだけど、この映画を絶賛したら、あれはインドの上澄みで、みたいなことを言われたんだけど、そんなことはわかってるよ、別にこの映画がインドの現実だ、みたいなことを思ってるわけじゃない。たとえこの映画が作られたのがヨーロッパだろうが米国だろうがアフリカだろうが中国だろうが、同じように絶賛すると思う。

インドって日本以上の学歴社会で、それに敗れた若者たちは自殺を選ぶって話を聞いたことがある。この映画はまずは第一に、そういう若者たちに対して、つらくても死を選んじゃダメだよ、ってことを教えてくれてるんだと思う。落第を悲観して首をつって死んでしまう同級生がいて、主人公の親しい友人も学長室から飛び降りちゃう。命は助かるけど。そういうシーンを繰り返し描きながら、それでも死んじゃダメだ、自分の好きなように生きよう、って語りかけてくれる。さっき馬は自分が食べたい草、自分がいま必要としてる草を食べる、って宮本輝の優駿の中の話を書いたけど、あたしもそうだな。この映画、主人公の親友は動物写真家になりたいんだけど、親の期待に応えるべく工科大学に進む。あたしもいろいろ面倒くさいルールに縛られた商用原稿とかを書くよりは、子どもとか若いおねえさんとかの写真を撮ってるほうが1億倍、楽しいよなあ。なんかシャレになってないけど。

そんなところかな。書きたかったのは。

そうそう、飲み友だちの石川恵と前の前の前あたり(昨年末?)に飲んだとき、彼女はいきなりこの映画の話をしてさ。いいっすよねぇ、って。あまりにもいきなりだったので、びっくりした。あたしも最後に(2回目に)見てから数年経ってたので、あんまり詳しくは語り合えなかったんだけど。そうそう、好きな相手といい映画について語り合うのって人生の大きな喜びのひとつだよね。だからこそ、好きな相手と一緒に映画を見るんだね。だって、どっちも記憶が薄れてないから。

むかしこの映画のDVDを持ってて、カネがないときに近所のブックオフに二束三文で売り払った気がするけど。んで、そのDVDを、勝田台の某個別指導塾で同僚だった某K女史に貸したんだよな。そしたら丁寧なお手紙と一緒に返してくれて。ちょっと感動した。彼女は元気かな。ずいぶん会ってないけど。

最近、焼酎じゃなくてウイスキーばっかり飲んでるのは、同じ値段で比べたら、焼酎よりもウイスキーのほうが美味しいんじゃないかと思って。ウイスキーって基本的にデフォルトで何年か寝かしてるんだよね? 沖縄の古酒(くーす)とかもめちゃめちゃ美味いし、焼酎も何年ものとかは美味しいと思うけど、そのぶんえらい高いよね。ウイスキーは、いちばん安いやつでも、けっこう生(き)でも飲める(気がする)。なんか温かいね。

そうそう、コロナの影響で、いまさらながら、ウイルスってなんだろう、って思ってWikipediaとかを読んでたんだけど、もちろん全部理解できてるわけじゃないけど、ウイルスって生物と非生物の中間なのね。非生物っていっても、鉄鉱石とかボーキサイトみたいな鉱物じゃないけどな。本当に最小単位のブツでありながら、ちゃんと戦略とかがある。宿主に寄生して、自分たちを増殖させていく。すごい。

けどそこで思ったのは、人間が結婚して子どもを育てるのと、ウイルスが宿主に寄生して自分たちを増殖させていくのって、どっちが上とか下とか、ないよね。フラットに考えると。そしてこれも思うんだけど、ちょっと話が飛躍するかもしれないけど、ウイルスの攻撃を受けて、自分の細胞が必死に戦って、でウイルスに勝つか負けるか、今回の新型コロナウイルスでいえば、肺炎なんかを患ってしまうかどうかって、その人の免疫とか生命力によるよね。当たり前のことだけど。

あたしは一日1本、伊藤園TULLY’Sのボトルコーヒーを飲まないと脳梗塞の危険性が極めて増す、というのは自分でわかる。最近たまにフラッとすることもあるし。でも、長生きするために生きてるわけじゃないから、いつどこでポックリ逝ってもいいと思ってる。いやまだたぶん死なないけど。いますぐ死んでもなにひとつ後悔はない、という話。今日も新・人間革命25巻を読み進めてて、ページを繰るごとにヤバいなあ、ってずっと思ってた。新・人間革命25巻は、福島、山口、佐賀、そして熊本の指導について描かれてて。あと数ページで読み終わるんだけど、いちばん感動したのは、佐賀の県長を育てた名もなき一壮年のこと。

ああ僕もこのおじさんのように生きよう、と思った。

話は「きっと、うまくいく」に戻るけど、この映画って、極論すれば、人はなんのために生きるのか、ってことを教えてくれてるんだと思う。はっきりとは、そう言ってないけど。もちろん自分で考えろってこともあるんだろう。

それで考えると、あたしはやっぱり写真を撮る仕事と、子どもに勉強を教える仕事のハイブリッドで、これからの人生を切り拓いていきたい。

いや、しかし、「きっと、うまくいく」だけじゃなくて、インドの映画はすべからくそうなのかもしれないけど、サービス精神が旺盛だよね。横溢と言ってもいい。サービス精神にあふれてる。死にそうで、バイクで病院まで急送した友人のお父さん、あとで何度もバイクに乗って登場する。ああいうのって、日本の映画だとありえないよね。日本の映画って、うーん、そうだなあ、真面目すぎるというか、小さくまとまってるというか。何をエラそうに、と思われるんだろうな、でも。

さ、寝ようかな。あしたはラストエンペラーか、芙蓉鎮か、ラ・ラ・ランドか、カメラを止めるな、か、八日目の蝉か。なにをみようかなあ。。

いやー、永遠にこういう日々が続いてくれたらいいのに、13日からは怒濤の卒業式ラッシュですよ。スーツ着るのも、嫌だなあ。。笑

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