昨日今日と、電車のなかで、かなりやばめの若い男を見かけた。
昨日は帰りの電車で。
そんなに込んでないのに狭いところに割り込んでくる男の狙いはだいたい決まっていて。昨日もそうだった。鉄のパイプで区切られた真ん中の三人掛けのスペースの左端に僕が座っていて、ひとつ離れて若い女の子が座ってた。その間の席に、男が勢いよく座ってきて。周りは比較的スカスカだったから、ああ、わかりやすい人だなあ、と思い。そこまでなら、まだ許せるというか、まあギリギリ許容範囲かとも思うんだけど、その男、すぐとなりの席で寝ている若い女性のほうをずっと見てる。まさに凝視という感じで。反対側の窓に映る反射で彼の彼女の凝視っぷりをずっと見てた。醸し出してる雰囲気がもう違うもん。鬼気迫るというか、平たくいうといっちゃってるというか。
その電車、西船橋行きで、彼も乗り換え。すぐさま若い女の子の前に立つ彼。キョロキョロとあたりを、獲物を物色しながら見回す。
両手で吊革を掴んで、こう窓のほうへ体を移動させ。もちろん視線は真下を向いており。その動作を何度も繰り返す。
めちゃめちゃ怖い。
彼女も彼も同じ駅で降りていったけど、そのあとどうなったかは、僕は知らない。