むかし、雑誌がだんだんと死んでいく現場に立ち会ったことがある。
編集部員として。
いまはなき、インターネットマガジン、という雑誌。
いまだったらさすがに時効で、書いてもいいと思うんだけど、何年か前に、アッキー事件というのがあった。知らない人も、もはや、多いと思うけど。
ひらたくいうと、ビデオデッキについてのクレームをなんべんも寄せた客(クレーマーと呼ばれちゃうような)のアッキーに対して、某大手電機メーカーのクレーマー処理担当のこわーいおじさんが、すごい勢いで怒鳴りつけて、その一部始終がアッキーによって録音され、ネットで公開されちゃった、という……。
1999年くらいだったかなぁ。98年かなぁ。
インターネットマガジンは、インターネットの総合誌を標榜していたのに、このアッキー事件については、完全に、黙殺。
それを傍目に見ていて、ああ、この雑誌、もはや脳死状態だわ、と思いましたことですよ。
その後、編集長は早期退職制度を利用してさっさと逃亡。副編を務めていた男も、どこかへ転職して、消えてしまった。
そこで学んだこと。
雑誌には寿命がある。そのうち、死ぬ。
で、その予兆、前兆というのは、必ずある。
かならず。