11月15日(土) モンラー(中国)

モンラーに着きました。
モンラーのモンの字は、猛という字の作りを左側に持ち、右側(つくり)が力。
ラーの字は、もはや日本語のフォントにはないと思われ。あ、Unicodeで
表示すればいいのか。どうするんだっけ? 忘れた。
昔、ハートを表示させたことがあったのを、思い出した。

あとで確認したところ、モンラーのラーの字は、ちゃんとJISに
ありました。逆に、モンの字はUnicodeにしか、ありませんでした。

まぁ、いいや。

朝の8時くらいです。ルアンナムタの町の外れのバスターミナルに着いたのは。
時刻表で、9時にボーテン行きのバスが出るとあったのを確認して。

チケット売り場のオヤジに、ボーテン行きは9時だよね?って聞いたら、テン、って答えて。
あ、そう。そうなのね……。

仕方がないので、おなかも空いたことだし、すぐそばの食堂に入って、きしめんのような
モノを食いました。うまかったです。1杯50円。おかわりしたので、100円です。

9時半頃、ほかの客がバス?に乗り始めたので、私も遅れないように乗り込み、しっかり自分の
席を確保しました。貴重品の入ったふたつのバッグをしっかりと抱きしめて。あ、バックパックは
屋根に載せられてしまいました。仕方ない。

ドライバーに、出発は10時でいいんだよね?って聞くと、11時、ってこともなげに
こたえ。えええぇ~、あと1時間半も、ここでボーッと待ってなきゃならないの~。(涙)

この調子で書いていると、夜が明けてしまいそうなので、大急ぎで要点のみ。(笑)

あ、わかった。どうして人が、紀行文を、帰ってきてから書くかっていうと、いったん自分のなかに
沈めて、しばらくして浮き上がってきたものだけを書くから、その人の書いたものとして意味をなすんだね。
なるほど。そういうことか、って気づくの遅すぎ?(笑)

まぁ、いいや。ちなみに、バスと書いているものは、ふつうの荷台のついたクルマの荷台部分に
囲いをして、人を乗せれるようにしただけのもん、だからね。ちなみに。

それはそれとして。

11時に出発したさ。国境行きの乗り合いバス。乗客は13人。
ガタガタ道を、いくつかの少数民族の集落を経ながら、国境のボーテンに向かいましたとさ。

ボーテンまでの道のりは、およそ2時間。途中で何人か降りたり、新しい客が乗ったり、
村への荷物を届けたり、しながら、バスは国境を目指します。

いくつかの検問を抜け、ボーテンにたどり着きました。
ボーテンと言えば、日本人にはスライスチーズの産地として昔から有名です。
歌にも歌われたくらい。いわく♪ボ……。やめておきましょう。

ボーテンでバスを降り、ラオスの出国の手続きをして、別の乗り合いバスに乗り、
こんどは中国の国境地点である磨●(モーハン)に向かいます。一緒に乗り合わせたのは、
たぶん中国人の親子。ラオスと中国の国境に建てられた石碑のところで車を降り、こっち側と
あっち側で記念写真を撮っています。それをパチパチ、撮る私。

●は、敢の字の下に心

中国側の国境の町は、ラオス側にくらべて、ずいぶんとひらけています。
いまも宿屋があるそうですし、新しい、でっかい、たぶんホテルと思われる建物も
建設中でした。僕にとって、生まれて初めての中国です。昨日も書きましたが、
生まれて初めての中国が雲南、それもいちばん南の外れ、というのが、僕の人生を
象徴しているような気がします。(笑)

そんなことはいいのですが、国境を越えただけで、なにか気分がガラッと違うのは
なぜでしょうか。仏法に説く、国土世間ということなのかしら。国土世間というのは
たしか、環境だけではなく、そこに住む人たちの存在をも含めた概念だったように
記憶しています。気温もぐんと上昇したように思えます。なぜか、太陽の光も、
国境を越えたあとのほうが、うんと強く感じられます。植生まで違って見えるのは、
気のせいでしょうか。

入国カードに記入をして、パスポートを官吏に見せて、やっと中国に入国いたしました。
乗り合いバスのおじさんに言われるまま、クルマに乗り込みます。こんどのバスは、
軽ワゴン車。運転席の列も含めて、席が3列並び、もうすっかりギッシリです。

そこから、いまいるモンラーの町まで、2時間弱の道のりでした。先ほどのラオスと違って
道は完璧に舗装されています。こういうところにも、国力の違いというのが出てしまうもの
なのでしょうか。少数民族の村とおぼしき集落も、いくつか見ましたが、ラオスにあった
ものとくらべて、どこか立派に見えました。

磨●からモンラーまでの道のり、すごく快適でしたよ。モロに風を受けなくていい、というのも
ものすごく大きいのでしょうが。

夢にまで見た雲南。遥かなる雲南。さだまさしさんが、ずっと昔、「長江」という映画を借金して
作ったとき、まだ雲南は外国人に開放されていませんでした。そして、彼がずっとあとに作った
雲南への憧憬の歌。タイトルは失念しましたが、

♪遥かなる雲南 夢のシーサンパンナ……

こんな歌詞だったように思います。歌えと言われれば、ワンコーラスくらい歌えますよ。(笑)

あの歌を、心の中で、口ずさんでました。車窓から見える、雲南のキラキラ光る樹木の葉を
見つめながら。ああ、ここはいいところだなぁ、誰かを連れてきたいなぁ、そう思った。
できれば、こんどくるときは、荷物を半分くらいに減らして、パソコンも1台、レンズも2、3本、
吸い出し機能付きストレージ(80GBくらいの)、それと室内用の短パン。(笑)

さださんの雲南の歌、たしか、最後はこんなふうに終わるんじゃなかったでしたっけ。

♪遥か歌声 国境を越えて広がれ

バスが町に着き、ここに泊まろうと目星を付けていた、南亜賓館を探し始めました。
バイクタクシーのにいちゃんが、どう、乗ってかない?と誘ってくれますが、なにしろ
この荷物です。せっかくの誘いを丁重にお断りして、地図を見ながら南亜賓館を目指して
歩き始めました。途中、首からカメラを下げて、気になった景色をパシャパシャ納めながら
ひたすら荷物を引いて、歩いていきました。

行けども行けども、南亜賓館、見つからないのですね。悲しくなって、疲れたぁ~、と
道にたたずんでると、自転車にリアカーを連結したような乗り物のおにいちゃんが、
どっか探してるのぉ~、と颯爽と声を掛けてきました。渡りに船とばかり、南亜賓館を
さがしてるんだけど~、って地図を見せると、あ、OK、とにかく乗りなよ、というので
チャリヤカー?に乗ると、にいちゃんはいま来た道を、戻り始めました。

地図の場所と明らかに違うよなぁ、と思ってたら、彼は車を停め。
ほら、ここだよ。な。見てみると、南疆賓館でした。いくら私が中国語を喋れなくても
南亜賓館と南疆賓館の違いくらいは分かるワイ! をぃ! にいちゃん、日本人を
なめるなよ!とはいうものの、なんかどうでもよくなって、南彊賓館に泊まることに
しました。フロントには誰もいません。にいちゃんが大声を出すと、奥からおばちゃんが
出てきました。これ書いておいてね、みたいに書類を差し出すと、おばちゃん、あわてて
奥へ戻っていきます。???と思っていると、まだいたにいちゃんが、マージャン!!!
って叫び。あ、そう。仕事中に、麻雀してるわけね。

ハウマッチ?と聞くと、おばちゃん、紙に60という数字を書き記します。
60元=900円、ということでしょう。高いなぁ!というと、あわてて、
こんどは、40、と書きます。いきなり50%のディスカウントです。(笑)

書類を書いて、おばちゃんに巨大な建物の3Fの端の部屋に案内されて、
ひとまず落ち着いて。

昨日は頭を洗えなかったから、と思って、シャワーを浴びたんだけど、タオルがどこにも
ないんだけど……。あと、便器が洋式なのはいいけど、便座がなくなってるよ。。

うーん、南彊賓館、あんまりオススメできないかも。
たぶん、築ウン十年とかで、むかしはすごく栄えてたのかもね。官営で。
けど、まわりにいっぱい新しいすてきなホテルができて、すっかり没落した。
そんなところじゃないかな。たぶん、お化け出ると思うなぁ。どんなヤツだろう。
やっぱりキョンシーみたいなのかな? それって怖い?(笑)

今日も写真はナシ。何枚か撮ったけど、そんな、来て、すぐ撮れないよ。マシンじゃ
あるまいし。ねぇ。(笑)

いい。この町で写真を撮るのは、諦めた。
歩くのも、疲れたし。そろそろ寝るか。まだ7時45分だけど。

東南アジア標準時にくらべて、中国の時間は1時間早いんだね。日本に1時間近いというか。
なので、国境を越えたラオスだと6時45分なのに、ここでは7時45分。得したか損したか
わかんないね。きっと、どっちでもないんだろうな。(笑)

いま夜のお散歩から帰ってきました。10時半です。

歩いてたら、今日、一緒に国境を越えてきた親子と出会いました。
向こうも気がついてましたよ。あらぁ~、みたいな。写真、撮ればよかった。(笑)

しばらく街をぶらぶらしたあと、冷飲茶楼というお店で、ビールをシバいてきました。
さっき、夕食を食べたときと同んなじ、大理稗酒です。麦酒じゃなくて、稗酒なのね。
どういうわけか。この謎は、いつか必ず解きましょう。(笑)

それはそれとして。

夜に街をぶらつくときは、24-85じゃなくて、24mmの単玉と決めてます。
うんと明るいので、ピント合わせにも、シャッタースピードを稼ぐのにも、うんと
有利なんですよね。

あとなんだろ。

そうだ。宿の裏庭、っていうのかなぁ、フロントのある建物から、部屋のある建物へ
移動するときに、中庭みたいなところを、通るんですね。そこから空を見上げたら、
すごい綺麗な星、星、星。

決めました。ここで星空を撮ろう。

持ってきた三脚が、初めて役に立ちました。自由雲台を譲ってくださったOさん、
ありがとうございます!

中庭だけあって、全天を見渡す、ということにはなりませんでしたが、カシオペアが
ハッキリ見えました。っつーか、写真に写すと、まわりの暗い星まで写りすぎて、
どれがW型なんだかわかんないくらい。それくらい、星が綺麗でした。

昨日、ルアンナムタでも、いちおう試してみたんですよ。試してみたというよりも、
宿の近くで、夜帰ってきたときに、空を仰いでみたんです。でも、今日よりも星が、
少なかったような……。たぶん、たまたま近くに人工光源があって、星を隠して
しまっていたんでしょうね。なんとも残念。向こうのほうが、近くに高い建物とか
なくて、その気になれば、うんとキレイな星空が、Getできたでしょうに。

まぁ、それはそれとして。

明日、朝早く起きて、いよいよ景洪です。今日は、バスターミナルの場所も
確認してきたし、明日は起きて、そのまま、バスに乗ろうと思います。景洪までの
道のりは5時間。景洪で何日か過ごすつもりです。なんつっても、日本で取得して
来た、ベトナムビザのスタートが、20日に設定してあるもので……。(笑)
国境近くの町で20日がくるのをじっと待つよりは、ある程度大きな街ですごした
ほうが、楽しめると思われ。

昆明、雲南省の省都である昆明には、あんまり行きたくありません。だいたい
想像がつくんですよね。ものすごい、大都会。たぶん、こういう言い方はどうか
わかりませんが、何年か前に仕事で行ったラスベガスと、大差ない気がします。

なので、明日は景洪に行って、なんとかバスの便、昆明に寄らずにベトナム国境を
目指せるようなコースを、見つけてこようと思います。いまのところ、僕の見立てと
しては、箇旧という町へ出れば、昆明をバイパスして、ベトナム国境の河口という
街へ向かうことができるのではないか、と。

どうしてもダメなら、諦めて、乗るけどね。昆明行きの寝台バスかなんか。

ラオス・中国国境で記念写真を撮るおねえさん達

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