日記
●平成十三年
・6月8日(金)
ども。小倉です。ご無沙汰してました。m(_._)m
これからアイルランドに行ってきます。帰ってくるのは14日の木曜日。
もちろん仕事。撮影ロケです。
たぶん、メールとかはほぼ毎日読めると思うので、何かあったら
メールくださいな。よろしく。
ホテルからの通信がうまくいかなかった場合は、ムリだけど。
……以上、連絡もーど。(笑)
・6月8日(金)
北海上空です。あと1時間ほどで、ロンドンのヒュースロー空港へ到着します。
そこで飛行機を乗り継いで、アイルランドのダブリンへ入ります。
なんだか一昨日くらいまで、7月号の編集作業に追われて、本当に自分が
アイルランドへ行くのだろうか、と半信半疑だったのですが、荷物をまとめて、
カルネを受け取って、パスポートを忘れないように、目のつく場所に引っ張り出して
きて、で、だんだんその気になってきました。
トイレに立つおねえさんたちの顔を見ながら、こんなことを考えていました。
やっぱりロンドン行きの飛行機に乗ってる日本人のおねえさんたちは、いかにも
イギリス好き、って顔をしてるなぁ、と。たとえば、ロサンゼルス行きとも、
バンコク行きとも、もちろんパリ行きとも違う、おねえさんたちの顔立ち。
単なる偏見でしょうか。
空想は広まります。空港という場所は、そういう、ある地球上の一地点あるいは
エリアに引きつけられた人たちが、勝手に集まって、勝手に散っていく場所なんだ、と。
同床異夢という言葉がありますが、なんとなく、そんなことを思っていました。
仏法に説かれる、そして「一念三千」という言葉も。
以下、ホテルから。
なんとか無事にダブリンに着きました。はじめてのヨーロッパ。はじめての
アイルランドです。なんだか、いきなり惚れ込みそうな勢いです。いつもですが。(笑)
今日、機内だったか、新しい情報を知りました。ビートルズがリバプール出身である
ことは世界的に有名ですが、彼らのうちの3人は、ルーツがアイルランドだそうです。
オブラディ・オブラダを歌いたい気分ですぅ~。(^^)
ホテルのバーは満杯でした。
ギターあり、バイオリンありぃの、社交場と化してました。
すごいうらやましい。
たぶん、小倉はこのあと、何年後になるか分かりませんが、
アイルランドを1か月くらいかけて、ぐるっと国じゅう、回るんだろうなぁ。(とおいめ)
今回のロケをアイルランドに設定してくださった皆様に、心の底から
感謝申し上げます。ありがとう、ありがとう、ありがとう。
・6月12日(火)
明日、日本へ帰ります。いま、ダブリンのホテルの部屋から。
撮影ロケは、トラブル続きでしたが、なんとか皆様のご協力により、
ぶじ終了することができました。
スライゴーの空港でヘアメイクさんが言ってた、
長かったか短かったかわかんないロケだったなぁ。
このセリフがすべてを物語っていると思われ。
コーディネーターを務めてくれた歩さんに、小沢さんが言った
1年くらいアイルランドにいた気分でしょ。
っていうのも、すごくそのとおりだと思う。
山ほど起こったトラブルを時系列で並べることもできるのですが、
明日の朝、出発が早いので、割愛します。あとで気が向いたら、
3か月後くらいに、書くかも。
でも。
自分のこと、自分の写真のことが、さらによく知れた、という点では、
非常に実り多いロケだったと思います。自分自身ではね。会社の財産に
なるかどうかは、まったくもって別問題だけど。(^^;
前からうすうす気が付いてることなんだけどねぇ。
でも、自分でも身に染みて感じたし、写真家の小沢さんも、
わざわざ最後の食事のときに、ちゃんと指摘してくれたし。
指摘、というよりも、君はそれでいいんじゃないの?って
さじを投げてくれた。(^^) すごくうれしい。
小倉君はphotographerになるのかなぁ、ってふうな
ことも、言ってくれました。
小沢先生、ぜったいに僕は写真家になってみせますよ。
何十年先か、分かりませんが。けど、僕の写真を必ず世の人たちに
認めさせてみせます。認めさせる、というか、認めざるをえないときが
必ず必ず、くると思う。
遺言の第1として、昨年末に書いたセリフ、
写真を撮るということは
人を信じるということと
ほぼ同義なんだよ。
このこと。これだけのことを証明するために、ライカやハッセルやコンタックスや
コダック・デジタルを首からさげて、あちこちぶらついてます。いままでも。
これからも。
今日、帰りのスライゴー空港で、あんまり空が広いから、ELTの
Graceful Worldを歌ってました。気持ちよかった。。。
こないだ訣別したメル友のことを、また思い出してました。なかなか
忘れられそうにないや。
それにしても、海外出張時の使途不明金の扱いについて、
もうすこし、ゆるくしてもらえると、うれしいなあ。
ぼく、知ってる人は知ってると思うけど、お金の計算って、
悲しいくらいにできない人なのね。日本円でもダメなのに、
みたこともないお札とかをいっぱい持たされて、あと残りは
○○だなぁ、とか、絶対に思えないよ。
なさけないけど、しょーがない。
人間、それぞれ合った道ってもんがあんのよ。ねぇ。(笑)
・6月13日(水)
ヴァージン・アトランティック航空900便のなかです。
30分ほど前に、ぶじ、ロンドンのヒースロー空港を旅立ち、
一路、日本へ向かっています。
待ち合わせ室で見かけた日本人のおねえさんは、どの人も魅力に乏しい
顔をしていました。機内で聞こえる日本語も、なんだか聞きたくないというか
一本筋が通ってないというか。福岡に住んでいたとき、韓国から帰ってきた折にも
同じようなことを考えていたのを、思い出しました。
君は書斎派だよ。今回のアイルランドロケ中、何十回も小沢さんが
私を評して語った言葉です。いわく、写真を撮るには、その場、その場の変化に
対応していかなきゃいけない。これはどうなんだろう、とか、どういう意味があるんだろう
とか、考えるのは後回しにして、写真を撮ることが大事なのだ、と。
書斎派が撮る写真というのは、ないのですか?と尋ねると、ないことはないよ、と。
そうですか。それなら私は、そちらへ向かうとします。
そんなことを思っています。
あ゛~あ゛、機内でもメールチェックできるといいのになぁ。
機内から電話が掛けられるんだから、簡単だよね。Etherの口を
各座席に用意しておけば済むことだし。どこかの航空会社が、近いうちに
始める、というアナウンスを聞いた気がする。
プライベートな時間は*まったく*なかったので、ライターのおねえさんと
約束してた紅茶、買ってくること、できませんでした。ごめんね。Nさん。
すごいかなしい。くやしいから、どっか東京の高級食材屋?で、少し高そうな
英国紅茶でも、買って持っていこうかな。いっしょにChineseを食べる
約束もしたし。そんなことはここに書かなくてもいいか。(笑)
今回のロケのことを書き始めると、いくら紙面があっても足りない。ま、ウェブだと
1文字あたり2byteしか使わないので、容量の点では無限といってもいいけど。(笑)
けど、愚痴みたいなことを、いちおう公共の場とされてるところに書きなぐっても、
なんの意味もないしねぇ。(笑) 愚痴、はないな。書く必要もない。私が書き始めると
自分の話にしか、自分と身近な好きな人たちの話にしか、ならないから。ねぇ。
コーディネーターを務めてくれた英国在住の日本人女性は、とってもすてきな
人でした。この方がいなければ、今回のロケは、成り立たなかったといっていいでしょう。
まったく慣れない仕事をむりやり頼み込んでやっていただいたのに、ほぼ完璧に
やりきってくださいました。本当に感謝申し上げます。ありがとうございました。
彼女と一緒にいた時間はほんとに短いけど、なんだかずっと昔から知ってるような
不思議な感慨を持ちました。ホントに素敵な人。あ、内緒のツーショットは
公開しませんので、ご安心を。(笑)>Aさん
必要なら、メールで送ります。(^^;
僕の昔からの悪い癖に、人との別れ際、キチンと挨拶できないというのがある。
ホントはもっともっと、ちゃんと別れの言葉を交わしたかった。でも、また
すぐに会えるよね。仕事じゃなく、あるいは私が今いる会社の仕事じゃなく(笑)
またロンドンに行くよ。いつかな。今年中か、来年か。(笑)
出発する前、7月号の作業をドロドロになって進めながら、たまにロケのことを
考えると、いつも思うことに、このアイルランドロケが終わったら、いろんなことが
動き出すだろうなぁ、って。やはりこの予感は、間違っていなかったと思います。
そう。いろんなこと。プライベートでも、仕事の面でも、いろいろ新しいことが
始まる予感がします。もう予感じゃない。具体的に一つ一つ、カタチにしていく
段階に達してる気がする。まずは打ち合わせと称して、某ライターのおねえさんと
横浜の中華街でChineseを。(^^; ←こればっかり。(x x)☆\バキッ
あと、今月の後半か7月の始めに、ようやっと、三山のわが家にもADSLが
やってまいります。NTTさん、よくもここまで、時間稼ぎをしてくれたわね。(笑)
ま、何十万人もいる社員のクビをそう簡単に切れないことを思うと、軟着陸は
ある意味、しょうがないと言えるんだろうけど。譲二接続から始まる、みちのく一人旅
というのは、必ずあると思う。サブちゃんの弟子だし。東北地方のウェブサイトを
集中的に見てみようと思う。←しつこい。
あ゛、ごくふつうのこと、書いていい? アイルランドで感じたこと。ふたつ。
紅茶が死ぬほど美味しい!
昨日の夜中も、ホテルの部屋で友達にメールの返事を書いてたんだけど、
部屋に備え付けのポットでお湯を沸かして、置いてあった紅茶を飲んでた。
そしたらさぁ、とまんないんだよね。のみごこち?くちあたりがよくて。
いくら飲んでも、飽きない。日本人の緑茶の感覚に非常に近いんだよね。
これってなんなんだろう。鮮度の問題なのだろうか? わざわざ日本にだけ
品質の悪いお茶葉を輸出してるというのも、考えにくい話だし。
どういうふうに美味しいかというと、生っぽいんだよね。奥行きがある。
日本で飲むふつうの(安い)紅茶って、味が平べったいでしょ。奥行きが
ないというか、なんていうのかなぁ。こっち(アイルランドとか)で
そこそこ美味しいお茶を飲めば、すぐに分かることだけど。
けど、いつも思うことなんだけど、私、日本酒って飲めないのね。コンビニとか
普通の居酒屋とかで出てくる安い日本酒って、あるじゃないですか。あれ、
まずすぎて飲めない。ほんとにまずいと思う。たぶん、私は縄文系、ルーツは
南方系なので、日本酒のアルコールを分解する酵素をもともと、持ち合わせて
ないんだと思うんだけど。けど、ちゃんとした店で飲む、けっこう高い地酒とかは
美味しく飲めるのよ。
その一方で、コンビニで売ってる安いワインとかは、けっこう美味しく飲める。
これってどういうことなんだろう?
「日本」酒という名の酒なのに、どうして日本で、そこそこ安くて、そこそこ
美味しいものを、広く提供できないんだろう??? 不思議でならない。
お茶の話をしながら、お酒のことも似てるなぁ、と思って、とりあえず
書いてみました。なにが言いたかったのか、まるで伝わってないですよね。(笑)
なにいってんの?って、こんど会ったときにでも、聞いてくださいな。
アイルランドで感じたこと。2つめ。
トイレットペーパーのホルダーに、カット用のフタ?がついてない!
ホテルの部屋でも、空港のトイレでも、ついてなかった。何カ所もトイレに
入ったけど、どこでもそう。手でトイレットペーパーをちぎると、当然、
あんまりまっすぐには切れないけど、でも、使用する上ではなんの不都合もない。
どうして日本のトイレットペーパーホルダーは、揃いもそろって、カッター?が
ついてるんだろう。不思議、不思議。
なんてことを思ったりする。そういえば、日本のトイレットペーパーって、
すでにミシン目が入ってるものが多いじゃない? あれなんかも、余計なお世話の
究極だよね。あらためて、それを感じた。
あと到着まで10時間くらいあるから、ふだんから考えてることを、
思い出した順に、書こうと思う。バッテリはあと2時間くらいしか、もたないと思うけど。(^^;
いま、ウラル山脈を越えたとこ。そういえば、小沢さん、昨日の晩餐で、
惚れて結婚するより、惚れられて結婚するほうがいいよ、って町田さんと
おんなじこと、言ってたなぁ。(とほいめ)
おれのこと、惚れてくれる人なんて、いるんだろうか?(宇宙の果てを見つめる、
左と右の目の決して交わらない、無限にとほいめ)
あとバッテリの残りが40%余となりました。
こんなことも、しばらく前から考えている。
今回のアイルランドロケ、だれ一人欠けても、全く別のものになってただろう、って。
小沢さん、スタイリストのHさん、ヘアメイクのYさん、デジカメメーカーのKさん、
さっきも書いたAさん、Aさんの義理の甥っ子でイングリッシュ・フリーターのMさん。
モデルのJade。Jadeのおかあさん。小沢さんの助手のSさん。そして小倉。
ま、小倉はいてもいなくても一緒だった、という話もあるけどねぇ。
いや、むしろ、いないほうがよかったかも。(涙)
ま、いいや。自分なりに精一杯やったつもりだし。
それでダメなら、しょうがない。あとは上が考えることでしょう。(^^)
けど、あることがきっかけで、小倉はむちゃくちゃ打たれ強い、という定評が
ロケのスタッフのなかに広まったのですが、そんなに打たれ強くないよ。恐竜
みたいなもん。脳みそのCPUのクロックがうんと低いので、何か強い刺激を
感じても、それが頭脳に伝わってくるまで、うんと時間がかかるの。昨日の朝
どなられたのが、いまごろ響いてきました。あ゛~、怖いよぉ。辛いよぉ~。
まぁでも、怒られたり叱られたり怒鳴られたりするのって、ある程度、自分に
落ち度があるからなのであって、それをキチンと正しいサイズで自分の心に
格納すれば、べつに、どうこうする必要はない。ロケの現場というのは、
バタバタしてるだけに、こちらを立てればあちらが立たず、みたいな状況も
よくあるわけだし。いいモノを作ろう、という共通の希望?をもって
みんな動いてるわけだから、その線に乗っているのならば、怒られることも
普通に受け止められる。こういう考え方、変かなぁ。怒られるにはそれだけの
理由があるんだから、それを自分のなかに入れられれば、必要以上にびびる
ことは、何もない。すぐ次のよりよい行動に移ればいい。当たり前のことだよね。
だめだ。あと残りのバッテリが33%になってしまった。そろそろ
ThinkPadが悲鳴をあげる頃。たいへん残念ではございますが、
このへんでアイルランドロケ帰路の実況中継?を閉じさせていただきます。(^^;
次の予定は、14日の夕方以降。
書斎派、と認定されたからには、遠慮なく大量に文章を書いていくよ。
だって僕、書斎派だもん。(笑) 文章を書くと写真を撮る意欲が減る、
なんていうのは、単なる言い訳だよね。好きな女が二人いるとして、
A子と毎日いっぱいしてるからって、B子と毎日いっぱいしないことの
理由にはならないよな。両方ともいい女だったら、分け隔てなく、両方と
山ほどするでしょう。じょうずに、お互いにバレないように。(笑)
←いったいこいつは何を書いてるのだ。
ま、そういうこと。文章と写真の高い次元での融合を目指して、これから
21世紀の「書斎派の写真」を切り開いていくつもり。見ててね。
・6月17日(日)
今日も一日、忙しかった。午前中から人に会いに、中野へ。
あちこち歩いて、むちゃくちゃ疲れた。
夕方から地元で用事があったので、ばたばた帰った。
こないだ知り合ったばかりの若い友人が今朝早く、交通事故で亡くなったことを知った。
いま僕の手もとには、彼の通夜と告別式の日取りが書かれたFAXがある。
彼は、つい先月、新しい道を歩み始めたばかりだったという。
あまりにも残念で、何も言葉がない。
・6月23日(土)
きのう、ふたたび横浜の写真学校におじゃましてきた。
すこーしばかり、デジカメの話をさせてもらった。
すごく楽しかった。学生さんたちの反応は、ちょっと分かりづらかったけどね。
さいしょのほうで、原色フィルターがいいよ、って話をさんざんしたら、
講師の先生は、どうもニコンを勧めている、らしい……。しまった。
でもでも。ニコンは補色にしては、ものすごく色がいいですよ。な~んて、
いまごろフォローしても、おそい?(x x)☆\バキッ
あ、でも、ほんとそう思いますよ。うん。
そのあと、先日お会いしたT夫妻が見えて、こないだの焼き肉屋さんへ。
会社に戻らなければいけなかったので、途中で失礼した。う~ん、もっといろいろ
お話を伺いたかったなぁ。写真のことを話してると、いくら時間があっても
足りないなぁ。おれ、ほんとに、写真のことが好きだよなあ。(笑・涙)
ゼミの後半、学生さんたちの撮ってきた写真を見せてもらったのだけれども、
あの時間も、とびきりすてきだった。1か月くらい前に伺ったときと、おんなじ子が
持ってきてくれてた写真をみたんだけど、ぐんとよくなってたり。
なんか、自分のことのように嬉しいなあ。
私は人の写真を見るときに、まず自分が好きかどうか、というのを真っ先に立てる。
べつに、他人に写真理論を教える立場にいまはないので、それでもいいと思ってる。
その写真を撮った人は、ほとんどの場合、すぐそばにいないわけだし。
けどけど、昨日みたいに、写真を教える学校の現場で、しかも、すぐそばに、その
写真を撮ってきて、当然けっこうイケてるじゃん、って思ってる、その本人がいる。
というのは、非常にスリリングだった。あまりいいと思えない写真だと、あんまり
興味もわかず、質問もうかんでこない。けど、あ、いいね、と思える写真だと、
うれしくていろいろ聞いちゃう。
そうそ。レクチャーの最後にね、用意してた質問を、小林さんになにげなくぶつけてみた。
いい写真とうまい写真は、違いますよね。いい写真って、どういう写真のことを
いうんでしょうねえ。って。ほんとにさりげなく。小林先生は、なんて答えてくれたっけなあ。
焼き肉屋を出て、日吉の駅へ向かう途中、こないだ登場したNさんに電話してみた。
今日、学校にお邪魔してたんだよ、来るかと思ったよ、って。
少し話したあと、Nさん、あ、小倉さんの日記、読みましたよ、って。
すごく意外だったし、うれしかったので、
小倉の愛の深さがわかった?
って聞いたら、半オクターブ高い声で、ハ? ナンノコトデスカー?
って。
そのすっとぼけかたも、いとおしいっす。
おれなにかいてるんだろ。
今日は6月23日。あれ、何の日だったっけなあ、と思っていたら、
沖縄の慰霊の日じゃないですか。日本の組織的な抵抗が終了したとされる日、だったっけ。
けど。まだまだ沖縄の地では、南部のあちこちで、戦闘が続いていたんですよね。
またひめゆりの塔へ足を運びたい。また記念館へ行って、亡くなった女の子たちの
静かな表情の前に立ちたい。
・6月25日(月)
モームの短編集を読んだ。超有名な「雨」、そして、「赤毛」、「ホノルル」。
雨、は、いろいろなところでストーリーを聞いていたから、なんだか犯人の分かってる
推理小説を読むような感じ。雨が彼の心を掻き乱し……、というのも、はぁ、という感じ。
私の読解力不足だな。こりゃあ。もういっぺん、あとで読もう。ストーリーを知らない分、
「赤毛」のほうが楽しめたかも。でも、最後にどんでん返しがある、という展開の小説は
あんまり好きじゃないかも。歩く途上そのものを楽しめる小説じゃないと、つらいかも。
この短編集の巻末の紹介にあった、ジョイスの「ダブリン市民」を次に読もうと思って
津田沼の昭和堂の新潮文庫のコーナーに行って、「ダブリン市民」をぱらぱらと見てみた。
で、やめた。予想以上に厚かったのと、あと、活字が潰れ気味になってたから。
本当に情けないことだなぁと我ながら、思うのだが、わたし、文庫本を読むときの
大きな条件として、活字がキレイなこと、を挙げる。ただでさえ文字が小さくて読みにくい
のに、活字が潰れ気味だと、それだけで文字面を追うのに、要らないストレスを感じてしまう。
とくに、翻訳物の場合は、日本語としてあまり美しくない文章が、けっこう多いので。
たぶん、文庫本とかだと、そんなにお金を掛けれないから、少しくらい活字が摩耗しても
数をこなさなきゃならないんだろうな。たまに、新しめの本とかじゃなくても、活字のきれいな
文庫本にあたると、ものすごく得した気分になる。
で、ダブリン市民を(今回は)断念して、何にしようか、と新潮文庫のコーナーを
しばらく眺めて。ピンとくるものがなかったので、新刊のコーナーへ。こないだ毎日新聞の
書評欄で紹介されてた「スピティの谷へ」っていうのが、無性に読みたい。
ちょっとさがしたんだけど、みつからなかった。で、保坂和志の「プレーンソング」を購入。
この人の小説は、読みやすい。なんかしっとりくるものがある。
先週の中頃だったか、海外で勉強している古い友人からメールがきた。たくさんの宛先を
bcc:に並べる、いわゆる「同報メール」っていうやつ。彼女は、この方法で、たまに
自分の近況を伝えてくれる。いわく、自分の写真が、○○という雑誌に載りました、とか
○○○というホームページで、私の写真が紹介されています、とか、ね。
まあ、異国の地で寂しいし心細いのはわかるし、近況を伝えてくれるのは有り難いんだけど
何の断りもなく、同報メールで、同じ内容の文章を、多くの人たちに伝えるっていうのは、
どんなもんなんだろう、ってずっと思ってた。そしたら、この何回か、同報メールで失礼
します、みたいな文言が、メールの最初に書かれるようになり。あ、僕じゃないだれかに、
きっと指摘されたんだなぁ、と、やや微笑ましく、みてた。
こないだきた最新の同報メールにも、もちろん、この但し書きは入ってた。その一方、
メールの最後のほうに、こんなことも書かれてあった。個人的なメールをいただいた方で
まだお返事を書けてない方もいらっしゃるのですが……。それを読んで、唖然とした。
あのさぁ、普通の(個人的な)メールをもらって、それに返事も出さないでいるうちに、
「同報メール」っつー、感情の通わない方法で、一方的に自分の近況を伝える、っていうの
どういう神経してる訳? もしかして、彼女は、自分が人気若手女流新進写真家で、
自分の近況を有無を言わさず知り合いに送りつける権利があると思いこんでいるのだろうか。
そうして、ファンレターよろしく、知り合いから届いたメールの返事は、べつにずっとあとに
なっても、仕方ないと考えているんじゃなかろうか。
あんたはタレントかよ、ってつっこみたくもなるが、ま、本人には言わない。
こんな人間の感情の基本的な機微もわからないヤツが、いい写真撮れるわけ
ないよなぁ、なんて思う人もいると思うんだけど、どうだろう。
メールの文面の作法、って、ものすごい数の日本人がメールというものに
参加しはじめてるだけに、急速に常識になりつつあると思うんだけど、
たとえば、ちゃんと謝るときは、すいません、とか、すんまそん、とか書かないで
ちゃんと、すみません、って書くとか、あといろいろ。
メールをもらったときに、どういう返事を書くか、というのは、かなり形而上学的な
問題を含んでいるけどなあ。(笑)
返事を書かない、というのも、ひとつの意思表明として、ありだろう。
そろそろ、この相手とメールのやり取りを終わらせたいなぁ、と思ってる場合、
わざとそっけない内容にしてみるとか。
あ、そうそう。ぜんぜん違う話なんだけど、私、人のメールとかメッセージソフトで
送られてくる言葉とか、どうも深読みする傾向にあるらしい。べつに、深読みして
やろう、なんて思ってるわけじゃないのだが。自然に、あ、こういう言い方をしてくる
ということは、こういうことを言外に伝えようとしてるんだろうなぁ、とか。
そのこと(真意はこうだとか)を、なんかの弾みでメッセージをよこした相手に
聞いてみると、え、そんなことは考えてませんよ、小倉さん、深読みしすぎですよ、
ってたしなめられることが、よくある。けど、そうは言われてみても、自分の読みが
そんなに大ハズレだとは思わないんだよなぁ。やっぱりなにげない言葉の端々に、
その人のホンネとか、深層心理(そこまで大げさじゃないにせよ)とかが、にじみ出て
くるもんだと思うんだ。うん、それは間違いない。
ただ、私の問題として考えると、あまりにも、そうやって相手のメールの内容を
解析ばっかりしてると、それだけで疲れちゃうし、自分の次の行動が、それだけ
制限されちゃうから、ま、あえて深読みしないようにしようかな、とか思ったりもする。
けど、最近、というか、少し前から、写真を撮るのに、いちばん重要な素質、って
何かなぁ、ってずっと考えてて。結論としては、当たり前すぎるかもしれないけど、
感じること。
そう、感じること。きれいだなぁ、とか、気持ちいいなぁ、とか、すてきな風景だなぁ、
とか、この人の笑顔を永遠に残しておきたいなぁ、とか。
感じることができれば、自然にいい写真が撮れるようになるよ。そのうち。
感じることができなければ、いくら写真に取り組んでも、いい写真なんか、いつまで
たっても、撮れるはずがない。
ということは、写真学校というのは、「感じること」を教える場所なのだろうか。
ん? こうすれば、感じることができるよ、と「感じ方」を学ぶのか。それとも
感じられることを大前提にして、その漠然と感じたものを、どう写真として定着させるか
その方法を教えるのか。あるいは、両方か。写真の勉強ってしたことないから、僕には
わかんないや。
けど、人の写真を見るのも、雑誌を読んで、言葉の助けを借りるのも、
あるいは、ずんずんいっぱい歩いて、いろんな景色に触れるのも、自分のなかの
「感じる」という要素を、もっといっぱい働かせるための行為だと思われ。
いまのところ、このあたりまでしか、思考は深まってないのですが……。
このあとは、次の焼き肉屋を待て、という感じでしょうか。あるいは、
そこそこ安くて、でも行列のできてない横浜中華街のChineseか!?
・6月28日(木)
保坂和志さんの「プレーンソング」をやめて、池澤夏樹さんのエッセイ集を読み始めた。
やめた理由は、前に読んだ保坂さんの小説「草の上の朝食」と、内容があまりにも似てるから。
タイトルが違うのに、あんまり似すぎてるから、これはいったいどういうことなのだ!?
と思い、amazon.co.jpで検索してみた。そしたら、連作なのね。ふ~ん、同んなじ話かと
思ったよ。(x x)☆\バキッ だって、ほんとに似てるんだもん。びっくりしちゃった。
ちょっとあの単調な物語を、最後まで読み通す余裕が、いまの僕にはないから、
それで夏樹さんのエッセイ集に助けを求めた。そして、それは大正解だったみたい。
タイトルはたしか、「明るい旅情」だったかな。マウイ島の話とか、いいね。
今日のお昼間、会社の女の子の写真を、撮らせてもらった。すごいきれいだった。
すごい可愛かった。撮ってる間じゅう、わたし、ずっと緊張してた。どうにか
なっちゃうんじゃないかっていうくらい。
どうしてそんなに緊張しちゃってたかというと、今日、写真を撮らせてもらってた
おねえさんというのは、ほとんど喋ったことがない人で。なので、やっぱ、緊張するよねぇ。
異性だし。すんごいかわいい娘だし。ホントはもっといっぱい撮ってたかったんだけど、
お昼休みだし、向こうの都合もあるだろうから、って、短めに切り上げた。
仕上がりがいいか悪いか、なかなか微妙なところだけど、でも、もしよかったら
また写真、撮らせてもらいたいな。(^^)
今日、上司と話してて、「使いにくい」って言われた。けっこう嬉しかった。
おれ悪いけど、「お前って、ホント、使いやすいよね」って、死んでも言われたくない。
そんなふうに、ろくでもない上司に言われるんだったら、飯なんか食えなくても、仕事
なくても、会社勤めはデフォルトで辞めるね。うん。背筋(せすじ)に鳥肌が全体的に
立つだろうし。
今日、帰りの電車のなかで、一緒に帰ってた女の子と、私は一途、小倉は気が多い、
っていう話になったんだけど、俺、それには異論がある。
一途なのを別に否定はしないけど、だれかと付き合う前に、その人のことを
よく知らないで、もし大好きになったとして、付き合ってみたら、ぜんぜん
違うってこと、よくあるじゃないですか。そうなったら、あなたは彼のことを
好きでいつづけられるの??? それが俺にはわからない。
気が多いっていうのは、同時に複数の女性と恋人関係になる、ってことじゃないよ。
俺いままで33年と7か月生きてきたけど、そんなことしたこと、いっぺんもないよ。
それが付き合ってる相手に対する、最低限の礼儀じゃん。だよね?
いろんな女の子と友達になる、で、どの娘がいいかなぁ~って、いろいろ考える
っていうのは、決して悪いことじゃないと思うんだ。ダメ? そういう考え方。
あのね、話戻るけど、
小倉は自分のことを正当化ばかりしてる、って思う人も、もしかしたら
いるかもしれないけど(あなたよ、あ・な・た・っ。)、でもね、私は私なりに
いろいろ考えて生きてるのよ。悪いけど。それを理解もしないで、理解不足のままに
ケンカを売ってきてほしくないなぁ。っていうのが、自己正当化なのかもしれないけど。
でもね、わたし、自分が悪いと思ったときは、キチンと謝るよ。
福岡で右直事故(私が「右折」)起こしたときだって、ふつうは責任割合が7:3
らしいんだけど、けど私があんまり自分の責任を主張し続けたから、9:1に
なったんだよ。すごいでしょ。何度も言うけど、私は自分が悪いと思ったら、
キチンと謝る。自分が悪いとこれっぽっちも思えなかったら、とことん戦う。
悪いけど、相手が誰であっても、その姿勢は変わらないよ。だって、変える必要
ないじゃん。そうじゃないですか?
私には、やっぱり、会社組織というところが、向いてないのかもなぁ~。(笑)
フリーに、なろうかなぁ。(とほいめ)
けど、仕事嫌いだし、怠け者だし、写真下手だし、フリーへの道は、
とほいなぁ。(遠距離をみつめる目)
ま、いぃんだけどねぇ。
・6月30日(土)
今日は休みだったのにもかかわらず、早起きした。
というのも、午後から、こないだ津田沼でGetした女子高生の撮影会
だったのね。天気があんまりよくなかったので、なかなかたいへんだったけど。
でも、可愛く撮れたのも、何カットか、あるかな。デジカメでも、少し撮ったんだよ。
え?なんですぐにthtにアップしないのかって? う~ん、いろいろ問題が
あってさぁ。版権とか著作権とか優先使用権とか。(爆)
そのうち載せますよ。あ、銀塩で撮ったほうを、たぶん、
ST原宿物語だっけ?←じぶんでおぼえてない
あちらのページへ加えますので、期待して待っててくださいね~。(笑)
ギャラ出すよ、夏っぽいカッコで来てね、って言ったら、肩出しルックで
来てくれた。ありがとね。とってもかわいかったよ。うん。