宋文洲さん

宋文洲さんという人がいる。実はこの人のことを僕はよく知らないのだが、ソフトブレーンという会社の創業者で、いまは経営の第一線を退いていて。

日経のサイトの連載コラムで知った。いまの世の中で話題になってる、さまざまな複雑な事象をテーマに取り上げながら、ものすごくすっきりと分析を加え。読んでると、みるみる目の前が明るくなっていく感じがする。

この人の、なにがすごいかって、連載コラムをブログのようにしてて、コメントとトラックバックをフリーで受け付けてるところ。なので、1回のコラムに、何十、何百っていうコメントが付くことも珍しくはなく。

ただ、取り上げている話題が、やはり微妙な問題を含むモノが多いわけで、世の中にはいろんな考え方の人がいるから、感情的な反発とかも、ものすごく。匿名コメントなのをいいことに、差別用語を書き連ねてみたり、中国へ帰れ、だなんて言い放ってみたり。

宋さんは、日経の連載コラムとは別に、個人としてもブログ(http://bsou.seesaa.net/)をお持ちで。日経のサイトと関連づけをしつつ、日経のコラムではフォローしきれない続報や関連情報を綴っていたり。そこでも、フリーのコメントを受け入れている、いや、いた、といったほうがいいか。あまりにもひどいコメントが多いので、柵を設けることにした、と宋さんは言う。つまり、ひどすぎるコメントは掲載しないこともあるよ、と。

賢明かなと思う。もちろん完全に自由な状態で自由闊達で有意義な議論が交わせれば、こんなに素晴らしいことはない。ただ、そういう準備が出来ていない人も、世の中にはまだまだたくさんいると思われ。そこには、匿名で参加可能、という仕組みも一役買っているのだろうし、そもそも日本人って、議論が上手じゃないっていう話もある。

なにがいいたいのかわからなくなってきたが、僕は宋さんの、日本人とか中国人とかを超えた議論の軸足の持ち方に賛同する。まったく同じ理由で、毎日新聞記者の藤原章生さんのモノの考え方にも、賛同する。

http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/hassinbako/archive/news/2007/02/20070218ddm002070063000c.html
(藤原さんの最新のコラム「発信箱」)

ぜんぜん少し関係ないが、最近クルマのなかで聴いてる曲でいい曲だなぁと思う曲があり、さっき歌詞で検索したら「ブレッド&バター」の「あの頃のまま」という曲で。サビの部分にこうある。

人は自分を生きていくのだから

まったくそのとおりだ。そういう意味では、ブログでもmixiでもホームページでもいいのだが、自分個人を明らかにして、何かしている人と、そうでない人、というのは、これから徐々に分かれていくのかなぁと漠然と思わないでもない。

藤原章生記者の1月の「発信箱」もよかった。バックナンバーがサイトから消えてしまっているので、うろ覚えだが。近いうちに国会図書館で新聞をアサって、携帯のカメラで複写してこようと思う。

たしか、こんな内容だった。

僕が日本の現状を批判すると、「藤原さんは日本をキライなんですね」って、若い知り合いに言われて驚くことが多い。母国を好きになりたいからこそ、批判してるのに、って。

まったくうろ覚えなので、趣旨が違ってたらお詫びのしようもないのですが。でも、こんな感じ。

いい意味での批判精神はバランス感覚の裏付けがなくちゃダメだし、もちろんそこには、本質を見抜く目、というのが絶対に必要になってくる。どこがキモなのかという。そしてそれが人間の生きる力の根幹だし、教育というモノが人に何かを授けることができるとしたら、そのあたりの部分を磨いてやる、ということなのかなぁ、と思わないでもない。

長文失礼。

ITとかWeb2.0とかの時代、個人が個人として世界に発信できる可能性を手に入れつつある現在、ますます、“人は・自分を・生きていく” という点が、いっそう強く問われていくんだと思う。

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