1997年5月

 

日記

●平成九年

・5月24日(日)

銀座に行った。何年ぶりだろう。例のごとくに午後に起きて、それから一日の予定を
たてて。うーん、外に出ないで家でしこしこパソコンとたわむれるという選択肢も
ないことはなかったんだけど。でも、やっぱりどこかへ行こうと思って、銀座を選んだ。
いくつかの写真展会場があってね、それから中古のカメラ屋さんもあるし。コンタックス
サロンに行って、159MMのファイダースクリーンを全面マット(ツルツルのやつ)に
変えてもらおうと思った。今のは、真ん中にピントを合わせるざらざらガラスが入ってて
どうも使いにくいので。で、いつもつけてる35mmは、むかし落としたときにレンズのフチが
歪んでるので、なんか指摘されたら嫌だなぁと思って50mmに付け替えて。それが
良かったみたいだけど。

すごく久しぶりに、お姉さんに声を掛けて写真を撮らせてもらった。
いいね。銀座の歩行者天国。新宿の歩行者天国と、どうしてあんなに雰囲気が違うのだろう。
最初思ったのが、道幅。銀座の方が、数倍広いのね。それ以外にも客層が違うし、目的が違うし。
なんか新宿は薄汚れた感じ。すごく若い人たちが急ぎ足で行き交う。銀座は休日の午後を
ゆったりと楽しむために来てる、という感じ、かな。
というわけで、新シリーズ「銀座50mm」(日本語版)、「at GINZA with 50mm」(英語版)を
始めようと思う。

‥‥でもね。。。大枚はたいて買ったフィルムスキャナが、どうもピシッとしないのよね。
簡単に言うと、白と黒が出ない。中間調が出ない。って、どうしようもないということ!?

うーん。

ま、いいや。批判は甘んじて受けるとして、とりあえず、写真を撮らせてくれた女の子?
淑女、美女?に敬意を表して、近いうちに公開しよう。「銀座50mm」を。

というわけだ。


・5月23日(土)

新宿と、六本木に行ってきた。疲れた。
新宿で回転寿司を食い、コニカプラザに行き、そのあとCAPA展第三部(最終回)。
コニカプラザ、世界のシェー(だっけ?)はキャンセルし、若い写真家‥‥の方だけを
見た。ひとり目は西将隆という人。九産大出身。真四角のフォーマットで撮った、
造形的な写真。真ん中に人が写ってる。皆んな友達だろう。同じ人たちが何度か写ってるから。

悪くないと思う。でも特にイイとも思わない。登場する人物が特に魅力的に感じられず。
悪いけど。なんだかみんな、友達同士の気安さという感じの写真で、画面にイイ意味の
緊張感が感じられず。光と影、物のカタチのねらい方は上手だけど。一枚いちまい、
ちゃんと見る必要性を感じさせてくれなかった。ごめん。

もうひとりの方は、日高昭典て人。この人も九産大出身。とりあえず、大きなフォーマットの
カメラで撮ってるんだろうね。砂浜の写真。この人も丁寧な画面づくりをしてるということは
伝わってくるんだけど。面白くないよ。あまりにも引き気味で。いいの?若いのに、こんなに
おとなしい写真ばっかり撮ってて。写真展開いたからって、ずっとこのままの展開で行かない
でよね。悪いけど、つまんないよ。ハッキリ言って。

そうそう、足早に写真展会場をあとにするとき、キレイなだけじゃイイ写真とは
言えないよ。あと少し、誰かはsomethingって言ったらしいけど。それがないと、それだけで終わって
しまう。若い写真家諸君、奮起してくれ給え、私の分も。(^^;(^^;

うそうそ。写真家としての私は、このままで終わらせるつもりはないよ。悪いけど。

CAPA展、すごい人。最終日の明日はどうなっちゃうんだろう、ってくらい、すごい人。
キャパの写真で私が一番好きな(たぶん‥‥)、イスラエルのキャンプの写真。
小さな女の子が全身をふるわせて泣いてる。片足を地面から離して。両手をぎゅっと握って。
うしろににわか作りの布のテントが見える。この写真、ずっと横位置の写真だと思ってた。
だっていつ見ても横位置で紹介されたから。でも、そうじゃなかった。ちょっと四角ぎみの
縦位置の写真だったんだ。知らなかった。大発見をした気がした。切られた空間には
雲が、すこやかな雲が広がっていた。

この小さな女の子のように、片足を地面からほんの少し離してしまったことで、人類は過ちをくりかえし
犯してしてしまうことになったのだろうか。なんだか理屈をすっ飛ばしてそう感じた。

出口でちょっと迷って、全作品が収録されたパンフレットを買った。2500円。

それから、
「ここに地終わり 海始まる」2回目読み終わった。
「秋桜」2回目、見た。また泣いた。


・5月23日(金)

今日は会社を休んで昼過ぎまで寝てた。

津田沼のパルコにある芳林堂書店に行った。パソコン雑誌を立ち読みしに。
そしたら、パソコン関連書籍コーナーの、あまりの充実ぶりに感動して。
本を2冊買った。「最新 '97-'98年版 パソコン用語事典」(技術評論社)と
「RunRunLinux」(アスキー出版局)。レジで領収書をもらったんだけど、
なんだか感じの良いおねえさんで。「またご利用ください‥‥」なんていって
くれて。イイ意味で、よく教育されていると思った。笑顔も自然だったし。
前は(5年前は)、確かPARCOの6階に会ったと思うんだけど、Let’s館の
方へ移ってた。新しく広くなった気がした。うーん、昭和堂に強敵が出現て
感じだな。福岡に住んでた頃の近所のスーパーでいうと、「かどた」と「暮らし館」と
いう感じだろうか。ってだれも分かんないか。「かどた」というのは午前1時まであいてる
独立系?のスーパー。ちょっと古くさくて期限切れ間近のものをちょう安く売ってたりする。
月曜の100円市が秀逸。いっつも夜中に山ほど買い物してきてた。あと、閉店間際の
値引きされた刺身盛り合わせだとか。一方、「暮らし館」というのは大手スーパー系列の
スーパー。うちから歩いて3分。すごく新しくて清潔感漂う。「かどた」ほど広くはないが、
品揃えは決して悪くない。野菜、総菜、魚、肉、調味料、エトセトラ、必要な物はほとんど
そろう。ただ、若者一人暮らしよりは普通の主婦を対象としてるようで、お弁当とか白米
(炊いたのね)が置いてなかった。それがずいぶんとマイナスポイント。あと、9時に閉店
してしまう。

というわけで、PARCOの芳林堂は「暮らし館」、昭和堂は「かどた」にたとえられない
こともないかな、という気がする。だいぶ違う気もするけど。それから、
レジのお姉さんに関しては、お揃いの、前が鋭角に開いたブラウスを身につけた昭和堂が
フジテレビ、地味めの芳林堂がお堅いTBSという感じだろうか。強いて言えば。

というわけで? Linux(Slackware)のインストールはおおむねうまくいった。
と思う。よく分かんないけど。

明日は9時に起きて、東京へ行く。最初の目的地がいまいち決まらないのだが。うむ。


・5月22日(木)

あした何しよう。

「ここに地終わり 海始まる」、2回目読んでる。確かめながら、読んでる。どっちかと
いうと客観的な情景描写っぽいところは斜めに、人物像が浮き彫りにされるとことか
会話とかは丁寧に。一昨日の疑問の答えを見つけるために。

ロカ岬の葉書は志穂子と梶井の間を2往復します。梶井は自分で出した傷心の
ラブレター絵葉書によって、元気づけられるのであり。そのとき葉書は物であって物では
ない。

いかにも脇役という人たち、妹の美樹、佐渡の娘の奈美、ダテコの兄、などは
どうして登場したんだろう。登場しなければならなかったのだろう。ま、美樹は
近しい肉親として必要だったんだろうけど、奈美とダテコ兄は、ちょっとキャラクターが
エッジ立ってて、ちと気になる。
ダテコの兄は、蘇生の象徴、かな。人はいつの時点においてもやり直すことが出来る、という
作者の哲学の生き証人みたいなもんですかね。空港からのタクシーの運転手さんが、その傍証。

じゃあ、奈美はどうだろう。あまりにもそっけない、見ようによっては不用意な登場のさせ方
のような気がするけど。志穂子は梶井との逢瀬の間に、奈美の姿を浮かべ、慌てて消し去る。

それから、一番大きな疑問なんだけど、ホントに梶井は志穂子を1年も待つことが出来たのだろうか。
どうも彼の性質からいって、とてもとても無理なんじゃないかという気がする。きっと
(二人がうまく行ったんだとすれば)、志穂子が思いっきり譲歩したんだろうな。
1年の約束を5ヶ月にするとか。(笑)

もしくは、数年後に尾辻がブラジルから帰ってきたときがホントの勝負かも知れない。
だってね、話の流れから行って、マイナスのカードだらけの梶井が、文学的には
アドバンテージを取っているのは容易に想像が出来、それなのに、尾辻のブラジル
赴任は、あまりにもバランスを欠いていると思われ。確か志穂子は尾辻に求婚され、
返事を迷ってるときに、70%はブラジル生活に躊躇してる、みたいなことを言ってる。
じゃあもし、尾辻がブラジルに行かないんだとしたら、それでOKなのか。違うだろう。

志穂子が尾辻ではなく梶井を選んだ意味を、単なる小説としての盛り上がり、だけに求めたく
ない。なぜかというと、自分が尾辻よりも梶井にどうしてもシンパシーを感じてしまうから。(笑)

尾辻の欠点?弱点?短所?ってなんだろう。わからない。そういうのが見あたらないところが
欠点かな。‥‥っていうのは詭弁のようだけど、そうじゃない。人間は弱いものだから、
やっぱりゆとりがほしい。ゆとりというか、遊び?逃げ場? ‥‥そんなの。

尾辻は出来過ぎてて、志穂子に私がいなきゃ‥‥と思わせなかったのかな。あんまり自分を
大事にしてくれそうで、それが逆に重荷だったのかな。志穂子が子供を産むのが難しいことを
知ってて、ホントはほしくても、絶対にそういう風を見せない、それがすごくすごく、
志穂子にとっては重荷になるのかも。
それに比べて、梶井は欠点だらけで、嘘をたくさんつき、人間的にも弱みをたくさん持っており。
女としては、愛しやすいのかも知れない。

うーん、人間て、人間同士の関係って、特に男女の仲って摩訶不思議。こどもの僕にはむずかしく
ってよく分かんないけど。とりあえず、わたしも梶井の路線で行こう。(^^;
って‥‥違うだろっ。

ほとんど無軌道を突っ走ってる、今日の日記。


・5月20日(火)

なぬ? もう5月も20日か。今年も(今年は特に)あっという間に時が過ぎる。
もう少ししたら、半年じゃん。どうすればいいんだ??

「ここに地終わり 海始まる」読み終わった。とても心に残った。明日から明後日に
かけて、もう一度読み返そう。そして思ったことをたくさんここに書こう。

それにしても、志穂子はどうして尾辻ではなく梶井を選んだのか。梶井はどうして
由加とわかれ(なければならかっ)たのか。尾辻とダテコは一緒になったのか。佐渡の娘、
奈美はどうしているのか、父の新しい事業はどうなったのか、由加の前夫は愛人と
ニューヨークで暮らしているのか、万里は今頃だれと付き合っているのか。由加は
いつか元気になるのか(なれるのか)、矢巻はどんな死に方をするのか。

その答えを自分なりに出そうと思って、もう一度、ゆっくり読み直したいと思う。


・5月18日(日)

やっと7月号が終わった。(;_;)

それはそうと。「ここに地終わり 海始まる」すごくイイ。あえて面白いとは書かない。
この本も、なんだけど、昔読んだことがあるはずなんだけど、全然記憶にない。たぶん、
ちゃんと読んでないんだろう。だって、すごくイイと思ったものを忘れるわけないじゃない。
それとも、心のずっと奥の方にしまって、表面的には記憶にない、というだけなのかな。
それにしても、今このときに読み返してみて良かった。本当に良かった。また、ちょっと、
帰りの電車で泣いてしまった。いかんいかん。明日は下巻を買おう。


・5月17日(土)

今日買った本。「ここに地終わり海始まる」(上)宮本輝、「ジェシーの背骨」山田詠美
「北京の青い空を~私の生きた昭和~」小澤さくら、「死刑執行人の苦悩」大塚公子
の文庫本4冊。最初に読むのは「ここに地終わり‥‥」。昔、学生時代、読んだはずだけど、
記憶にない。すごく新鮮に読めそう。楽しめそう。

明日も仕事。

今日も書くことがない。


・5月16日(金)

今日、5月16日。毎月16日になると、何か感慨深いものがある。私の誕生日が11月の
16日だから、今日はちょうど半年前になる。高校の同級生の女の子の、今日は30歳の
めでたいめでたい誕生日。おめでと、そや。

それはそうと、予定が大幅に狂って、今週末も仕事だ。泣きたい。

なにも書くことがない。悲しい。


そうそう、「トラッシュ」を読み終わって、そのあと、今日、夏目漱石の「こころ」を
読み終わった。

「トラッシュ」だけど、長いとは思わなかった。ただ、読み終わったとき、「ものすごい満足感」を
得たかというと、残念ながら、そこまでは行かなかった。私はどっちかというと(あくまでも、
「どっちかというと」ですけど‥‥)理詰めで物事を考えるタチなようなので(あくまでも、「よう」)
山田詠美のような、肉体に響いてくるジャンルの作家は、いまいち、やはり、ピンとこないかも
しれない。友達に勧められて、読んだんだけど、思ったのは、男と女の違い。見せつけられた。
私は男だから、女が愛するように女を愛せない。‥‥なんて、私を知ってる人が読んだら、それは
単におまえが人間的に冷たいだけだろ、なんて適切なつっこみが来そうで、とても怖い。

「こころ」。知ってる人も多いと思うけど(高校の教科書に載ってた)、下宿先のお嬢さんに
恋した「先生」が、友人で恋敵の「K」を出し抜いてお嬢さんをGETしてしまう。そして、
「K」は自殺。数十年後に、「先生」は妻となった「お嬢さん」を残して、自殺。

という救いようのない話。我々は夏目漱石という男の晩年の厭世的な「気分」に、つきあわされてる
だけなんじゃないだろうか。どうしてこんな暗い話が、さらに数十年後の高校生が学ぶ
国語の教科書に載ってないといけないんだろう。責任者をつかまえて、聞いてみたい。

読んでも、なにも感じなかった。この点に関しては現役高校生の頃と一緒だ(おかげで、現国の成績は
さんざんだったけど)。親と自分の関係を描いた部分も、なんだか中途半端だし。父親が危篤の床に
床に就いてて、いきなり列車に飛び乗って行ってしまったのに、そのまんまなんだもん、あんまり
いい加減だよね。親父の死に様を克明に記せとは言わないけど、母親のその後の消息とか、
合わない兄貴だとかはどうしたかが、ちょっと気になるよね。いいけど、別に。

死んでしまった作家の作品は、それこそ絶対だから、一文字も動かすことは出来ないから、
後世の評論家は、逆に何でも言えるよね。自分の都合の良いように。それこそが評論家の
存在意義なんだろうけど。


・5月13日(火)

今日、千葉行きの終電で帰ってきた。津田沼駅に着くとき、電車の中から、ホームで血を
流して倒れている男の人が見えた。きっと、ホームに入ってくる電車に、酔っぱらって
頭からつっこんでいったか、または、ひとりで倒れて、頭をコンクリートで打ったか。

まさか、あのまま亡くなったりはしないと思うが、ものすごい量の血が流れていた。
当分、頭から離れそうにない。

明日も仕事だ。早く寝よう。(;_;)


・5月10日(土)

今日、会社に行って来た。最初に書かなきゃいけないことは、帰りの電車で、すごい
いい女を見た。なんだよ、それが「最初に書かなきゃいけないこと」かよ、なんて
言わないでください。でも、いや、ほんとに。「いい女」なんてちょっとだらしない
言い方かも知れないけど、でも、美人でも可愛いでもぷりちいでもキュートでも可憐でも
色っぽいでもコケティッシュでもないの。やっぱり、いい女としか言いようがない。

帰り、御茶ノ水から総武線に乗ったんだけど、彼女が乗ってきたのはどの辺だったかなぁ、
小岩?市川?平井?よく覚えてないけど。まぁ、私が電車に乗ってからしばらくしてから、
津田沼に着くまでにもうしばらくあるって頃。私の向かいに座ったんだけど、なんちゅーか、
雰囲気を持った人で。どこかで見たことがあると思った。昔の彼女の葉子ちゃんにも
似てるかも知れないけど(もう10年以上も会ってないけど。あ、見てたらメールちょうだいね)
それよりも、池澤夏樹の「タマリンドの木」のヒロインに似てると思った。名前、なんだっけ。
樫村修子。いま、確かめた。そう、彼女にすごく似てると思った。いや、あまり正確な
言い方ではない。だって、私は彼女の姿をビジュアルでみたことがない。小説の
中でしか、彼女に会ったことがない。

それでも、似てると思った。なんちゅーか、自分を持ってる人。目には少しも安らぎが浮かばず。
というと、なんだかギスギスした雰囲気を思い浮かべるかも知れないけど、そうじゃない。
なんだろう、うまくいえないけど、いろんなことにすごく真剣というか、不器用というか。
眉毛は真ん中が太くて両端が細くなってる。キリッとした印象。全身はスリムで、顔も
どちらかというと細め。どちらかというと凛々しい印象。おとこなんかへでもない、
という感じ(ちょっとはしたない言い方ですが)。でも、愛した男にはものすごくゆったりと
愛情を傾けることが出来る、そんな感じ。いやー、ホント、いい女だったのよ。驚くほど。
なにしてる人なんだろう。絶対、単なるOLということはないだろうな(別にOLの人を
差別しているわけではない。彼女をどこまでも高めようとしているだけだ)。
なんかの研究者? 医者かも知れない。もしくは、写真家だったりして。(笑)

‥‥それはそれとして。
一番気になったのは、落書きかも知れない。彼女、左の手の甲(手のひらじゃなくて)に
マジックでいろいろ落書きしてたのよ。青色と赤色のペンで。ふつう、大人の女性は
そんなことしないじゃない? だから、なんだか、妙に親近感を持てた。
こどもの頃、よく手にいたずら書きをした。ヒフに文字や模様を書く、あの感じ。
彼女、頭に手をやりながら、その、落書きだらけの左手の甲をずっと私に見せていた。
ふと、手に落書きする人はきっと不幸じゃないよね。幸福な人しか、手に落書きはしない
だろうな、と変な確信を持った。それとともに、その落書きは彼女ひとりで
したんじゃないよな、ってことが伝わってきて、なんだか変につらい気持ちになった。
自分勝手にだけど。

それから、彼女、右手の薬指に指輪をしてた。これって、結婚してる証拠だっけ? 左手だっけ?
いつも忘れる。なんでもいいけど、自分では指輪って絶対したくないと思ってるから。
指輪ってなんなんだろう。単なる装飾品? 愛の証?(笑) 自分を締め付けるもの?
‥‥分からん。

最初みたとき、猛烈に写真を撮りたかった。そう、猛烈に。でも、今は夜中の12時過ぎなんだと
いうことをすぐ思い出した。こんな時間に、「写真撮らせてください」なんて声かけたら、
絶対警戒される。そんなこと、決まってる。私だって、あんまり自分を惨めにしたくない。
それは写真を撮る上でプラスなのかマイナスなのか、未だに決めかねているのだが。

彼女が私と同じ津田沼駅で降りてくれたら‥‥という、ささやかな期待を持って
いたけど、それも叶わず。ただ、悲しかった。ただ、次の瞬間は、階段を上るおねえさんの
大きなお尻を見てたんだけど。(笑)

また会いたい。なんだか、また会えるような気がしてる。こんど会ったら、声をかけよう。
(作者注:一人の女性の話題でこれだけの行数書いたことあるでしょうか? うーん)

今、山田詠美の「トラッシュ」を読んでる。すごくいい。女と男の違いを思い知らされた
ような気がする。いつかやってくるであろう(^^;(^^; 私の次の恋の参考にしよう。


・5月5日(月)

新宿に行った。キャパ展、第2部。こないだの第1部を見ても同じことを感じたのだが、
戦場の日常、とでもいうべきか、いわゆる狭い意味での戦争写真じゃなく、その周辺の人々を
撮った写真が目についた。あ、これって、長倉洋海さんの写真じゃん、て思った。

で、何日か前、買っておいたアサヒカメラをパラパラ見てたら、キャパの写真が紹介
されてて。そう、今回のキャパ展、主催は朝日新聞社なのでした(企画は東京富士美術館)。

その最後のページに、長倉さんのコメントが載ってて。読んで驚いた。彼はキャパに
導かれ、キャパに励まされながら、写真を撮ってきたのだった。‥‥知らなかった。

彼の文章の最後を、ここで紹介したいと思う。あんまり良すぎるもんだから。曰く、

「国際化やボーダーレス化が喧伝される現代、逆に人々の意識は分断され、人は孤立を
深めている。さらに高く築かれた人と、人との壁をわれわれはどう乗り越え、同じ人間
として何を感じ合おうとしているのか‥‥。キャパの写真はいま静かにそのことを
問いかけているような気がしてならない」

それからさっき、すごく大事な友達、真紀ちゃんと西村さんから電話があって、2時間くらい
喋ってたのかな。元気だったり元気なかったり、いろいろだけど、頑張って。きっと、
がんばれると思う。どうしても頑張れなかったら、俺が何とかするよ。きっと。きっと。

さっきそれから、『青春対話』~21世紀の主役に語る~第2巻を読んでた。
泣いた。あまりの慈愛に、泣いたよ。ぼろぼろ、声を出して。久しぶりに泣いた。
特に、仕事のことを書いてるところで、私があまりにも好きで好きで好きでたまらない
啄木の歌、

「こころよく 我にはたらく仕事あれ それを仕遂げて死なむと思ふ」

が紹介されてて。嬉しかった。すごく嬉しかった。それで、泣いた。


・5月4日(日)

今日、六本木に行って、『秋桜』を見てきた。
こないだの新聞の夕刊の、女の子が雨に打たれてる
写真を見て、よさそうな映画のような気がして、見てきました。

エイズのお話です。輸血で感染してしまった高校生が故郷の高校に転入してくる
はなし。

映画は福島県本宮町が企画したのかな? とにかく全面的に協力してます。
あだたら山(‥‥漢字が分からん)とか、お祭りとか、川下りレースとか、
いろいろと描かれてて。

映画としての出来といったら、どうでしょう。こういう深刻なテーマの映画に関して、
映画としての完成度云々‥‥という話は辛いのですが、若干、類型的な気がしました。
壇陵祭(だったかな? 高校の学園祭)の最後の拍手もそうですが。
あれはあれでいいのかもしれません。よく分かりません。

この映画で特筆すべきことは、やはり、松下恵の演技でしょう。すごくよかった。
何年か前にNHK大阪が作ったドラマ(新銀河?)に出てる彼女を見ましたが、
あの頃はまだ子どもこどもしてて、お人形さんみたいだった。それが、
ずいぶんとたくましくなって、「実存的」という言葉が浮かんできました。この人、
なんか、国民的女優に、このあとなるかもしれないとさえ、思いました。それほど、
よかった。

一人舞台のシーンも、変な言い方ですが、安心して、頼もしく見ていられましたし、
最後の方、河原で父親を責めるところも、グッときました。うん、彼女はいいですね。
とてもいい。

そのくらいでしょうか。
昔、小学校の体育館で見た、「教育映画」のような趣の映画だと思いました。

機会があったら、どうぞご覧ください。

‥‥と、ニフティの日本映画フォーラムに書いたのをちょこちょこ手直しして貼り付け
ました。なんかやっぱり、語調・文体が違うから、なんか変。

それはそうと、
明日、会社に行かなくてもよくなってしまったので、新宿に行って、写真を撮ることに
しました。CONTAX 167MTと159MM、レンズは35mmと50mmのフル装備。(軽装ともいう)
85mmは重いもんね。あれが鞄に入ってるだけでフットワーク40%減、だもんねぇ。
(単に私が体重を減らせばよいという話もある)

とにかく、成功の秘訣は早く起きること。9時半に目覚ましをセットした。よし、
あとは晴れるのを待つだけだ。

つるつるのマイクロソフトマウスはどうも好きではない。
ざらざらのマイクロソフトマウスは、すごく好き。
ざらざらはシリアル。つるつるはPS/2。

今日、東京への往復で、村上春樹の『回転木馬‥‥』と村山由佳の『天使の卵』を
ささっと読んだ。村上春樹のはただ読んだだけ。村上由佳のは、すごく短いと思った。
前にすごく感動したんだけど、女性作家が書く思春期の男性の心理が、なんだかすごく
鼻についた。わざと下品な表現を使ってみたり。すごく違和感が残った。それと、
『回転木馬‥‥』だけど、すごく、なんというのか、些細な物語ばかりだと思った。
なんというのか、悪くいうと、せせこましいというか。細かすぎるというか。うーん、
うーん、そういう類の小説があってもいいと思うのよ、もちろん。必要だとも思う。
ただ、私は今のところ、そういう話には気が向かないというだけかな。じゃあ読むなよ、
じゃあ書くなよ、とファンの人に怒られそうだけど。そうですよね。ごめんなさい。

あ、ラーメン食べたい。

そうそう、昨日、CDを2枚買って。キョンキョンのベストと、鈴木祥子さんの
「Long Long Way Home」。昔から捜してた、キョンキョンの「夏のタイムマシン」って曲と、
鈴木祥子さんの「青い空の音符」。この2曲を手元にCDで置いておきたかったの。
それを昨日お店で見つけて(中古だけど)、超・嬉しかったん。ホントに。
特に、鈴木祥子さんの「青い空の音符」は私の中でベストといってもいいくらいの
ものすごくお気に入りの曲で。じつはタイトル、昨日CDを手に入れて知ったんだけど。
ホントにホントにホントにいい曲ですよん。歌詞カードを見たら、自分で作曲してるんだ。
うーん、鈴木祥子さま、天才だ。コンサート行きたい。こんどいつだろう。


・5月1日(木)

気がついたら、もう5月。
南野陽子でなくとも、歌い出したくなる季節だ。(分からない人はメールください)

今日、次に読む本を見つけた。市ヶ谷の書店で。谷崎潤一郎の『風の又三郎』。
あ、間違えた。宮沢賢治の『風の又三郎』。(遺族に訴えられたりしないかな‥‥)

宮本輝の『流転の海』『地の星』を読み終えたあと、第三部の『血脈の火』が
本屋に並んでるのを見つけ、あっという間に読んでしまった。
感想は、そう、書きたいことが山ほどある。落ち着いて書けるときに書きたいと思う。
(そういって、何も書かなかったことが何度もあるだけに‥‥)

それはそれとして。(^^;

最近、いろいろあったのよ。29日の「緑の日」は、昔の仲間と会って、死ぬほど酒を
飲んだ。それも昼から。すごく気持ちよかった。

27日の日曜日の記憶が若干飛んでいる。午後早くまでは覚えてるんだけど、夕方以降は
何してたっけ。家でぐずぐずしてたのかな。うーん、多分そうだったような‥‥。
そうそう、27日の夕方、昔のバイトの知り合いの熊ちゃんに会った。なんか、そっけない
対応をしてしまったような気がする。大変反省している。いや、ホントに。
くまちゃん、また飲もーね。

今日の朝、駅の写真屋にモノクロの現像を2本だした。明日の朝、出来てるかな。すごく楽しみ。

それから、今日、丸善に注文しておいた本が2冊、届いた。写真集『Jr.』と『みすゞコスモス』。
写真集の方をパラパラ見たけど、なんか、期待してたのと違う、かな‥‥。どうだろう‥‥。うーん。。

今、見直してみたんだけど、いやいや、もういっぺん見てみたんだけど、悪くない、うん、悪くない。
ただ、最初にパラパラっと見てみたときのあの違和感は、なんなんだろう‥‥??

私が史上最高の写真集だと思っている牛腸茂雄の「SELF AND OTHERS」を見てみた、今。
そしたら、分かった。『Jr.』がどうして物足りないか。ふふふ。教えてほしい? もったいないから
教えてあげない。んふふ。見比べてみれば、すぐに分かることなんだけど。とても大切なこと。
プリントの黒の締まり方もそうだし、ピントの正確さもそう。でも、もっと重要な本質的なことがある。
ふふふ。

なんだか楽しくなってきた。
春物のジャケットを着て、こんどの休みは街に出て女の子の写真を撮ろう。
どこがいいかな。新宿? 渋谷? それとも錦糸町?(笑)

※ただいま、不穏当な表現がありましたので、お詫びして訂正いたします。