1996年11月

 

日記

●平成八年

・11月3日(日)

文化の日。昼まで寝ていた。午後になって、のど自慢をラジオで聴きながら、
一念発起して、写真を撮りに出かける。いつもの百道浜。当然、歩いて。
結果としては、何も撮れなかった。なんか、ホームページで写真を皆んなに
見てもらうようになってから、写真撮るのが億劫になってきた、というか、
なんだか構えるようになったような気がする。この被写体はホームページでの
公開に耐えうるだろうか、みたいな。写真を撮ることとホームページに
載せることとは別のことなのにね。

自分の中で、インターネットで写真を公開したこと、
そして世界中から何万という人たちがその写真を見てくれてる
こと、そして大勢の人から激励のメールをもらうこと。
それらのことが、私の写真人生の中であまりに大きいこととして、ある。
変な話、新聞社のカメラマンとして、自分が撮った写真が毎日のように、それこそ、
何十万という人たちに見られている事実がある。
数でいけば圧倒的に仕事の写真の方が多くの人の目に触れている。だけど、
自分の手の中に残る実感というのは、不思議なことかも知れないが
プライベートで撮りためてきた何枚かのささやかな写真たちの方に感じられる。
なぜなのだろう。

こないだ、ニフティの掲示板にモデル募集のメッセージを載せたら、会社の人に
見つかって、いろいろ言われた。ある人には、「女の子の写真なんか撮って、
どうするの?」って。これって、なんだかドキドキするくらいにcoolだ。
なにがcoolかって、「写真撮ってどうするの?」って問いは、なんで
生きてるのか、って質問と同じくらいに意味がない。一言で答えられたら、
写真なんか撮らない。

なんだか楽しくなってきた。昔、これと似たようなことがあった。
僕が女の子の写真を撮りはじめた頃、学生仲間に、やっぱりいろいろ言われた。
変態じゃないか、とか、恥ずかしいからやめろ、とか。
一応、私もいろいろ言い返した。ルノワールとか、ルイス・キャロルとか、
たくさんの人が少女の魅力に取りつかれて、絵や写真などを歴史に残して
いるではないか、とかなんとか。
そしたら一人がこういった。「あれは芸術だろ」。
もう話すことはない、と思った。俺の勝ちだ、と。

だんだん、さつま白波(有名なイモ焼酎)のお湯割り(の酔い)が回ってきた。
あ、そういえば、今、お湯割りを飲んでるこの湯飲みは、霧島に行ったときに買って
きた「薩摩焼き」ではないか! 何という偶然(というかなんというか‥‥)!!

だんだん、疲れてきた。

寝るとするか。


・11月10日(日)

今日。あきたこまちの新米を食べた。うまい!! なんでこんなにうまいんだ、
ってくらいのうまさ。日本人でよかった。いや、ホントに。
こないだまで食べてた「あきたこまち」5kg袋は、なんだか全然
まずかった。近くの安売りスーパーで買ったんだけど。で、よく袋を見てみたら
あきたこまちの含有率も表示してないし(表示してないってことは、違う銘柄の
米が入ってるらしい)、だいたいいつ出来た米かすら書いてない。これじゃあ、
どんなにうちの最新型のIHジャーでも(ちなみに日立製)おいしく
炊けないわけだ。

というわけで、おいしいお米を食べましょう。みなさん。

では。


・11月13日(水)

13日の水曜日。今日、相撲の取材にいく。向こう正面の一番上のカメラ席から
会場全体を見渡していて、いつも思うのは、たくさんの人がこの狭い会場に
ひしめき合っているな、と。いろんな人生を背負った人たちが、いろんな思いを
抱いて、いろんな顔をして、この福岡国際センターに相撲を見に
集ってきているな、と。

それから、砂かぶり(土俵の間近)に座って取り組みと取り組みの間に考える
ことは、力士がまく塩の軌跡。塩の結晶の一粒ひとつぶがすべて、この地球上の
力学の法則に従って放物線を描き、地面に落ちる。その、潔さとか、あきらめ
切れたさまとか、塩の白さとか、そんなことを考える。


・11月14日(木)

ニュースステーションの特集で、ポケベル、個人情報誌。こないだのNHKの
特番とだいたい同んなじ作り。ベル友を雑誌で募集して、ベルにメッセージを
入れ合うだけのコミュニケーションを延々と続ける。電話とか、会ったりとかは
しないことが多い‥‥、という。
ベルだけじゃなく、FAXで手紙をやりとりする、とか、少し幅広く紹介してた
かな。この特集企画の全体を通して、制作を担当したディレクターの真摯な姿勢が
伝わってきた。ある女の子にこんな風に語らせてた。曰く、
ふつうに出来る友達というのは、成り行きというか、たまたま同じクラス
だったとか、偶然による場合が多い。そういう友達は結構いるから、これからは
友達はもっと自分で自発的に求めて、そうして得られる友達が
ほしい、って。(趣意)

これって、すごく積極的な、ポジティブな、前向きな姿勢だと思うよ。ほかの子には
こんな風に言わせてた。‥‥友達はたくさんいるけど、本音で話せる人は、そう
多くない、って。(これも趣意)

この辺に、ディレクターの問題意識の尖鋭さが出ていて、
もしかしたらそれって実は彼(女)自身の問題なのかも知れないけど、すごく、
好感が持てた。単なる興味本位というか、近頃の若者は‥‥的に、キワモノ扱い
してなくて。今の「傷つきたくない」(とされる)若者に対して、すごく温かい
視線を感じた。きちんとした仕事をしてる、といった印象を受けた。

それなのに、だ。久米宏のコメントは、全然、ピントはずれだった。「昔でいう
お見合い結婚だ。知り合ってすぐにドーンって結婚しちゃう‥‥」。
こいつはバカかと思った。真剣にそう思った。出会いは一つのきっかけに過ぎない
のに。最初がどんな風であれ、惹かれ合う二人は一緒になるし、どんなに周りが
気を配っても、どうにもならない組み合わせもあるし。そのへんの、認識の深さが、
彼にはちっとも感じられない。すごく俗物的というか。なんだか、レベルが低いと
いうか。時代を追い切れていないというか。今の社会を見つめようとしていないと
いうか。なんだか、話題にするもの厭なんだけど。それでも一定の社会的な影響力
は持っているのだろうから、無視するわけにもいかない。

それと、小宮悦子もなんだか相づちを打つだけで、どうにも頼りない。アナウンサー
としては有能なのだろうけど、それ以上でも、それ以下でもない。それだけの存在だ。
だからアラファトに平気でテロリストの親分、みたいなことを言っちゃう。

久米宏、そろそろ引退したらいいのに。大橋巨泉みたいに伊豆にでも住んで、
ゴルフでもしてなさい。週刊誌に連載もって適当なことでも書いて。

いやいや。ホントに。ま、テレビ朝日の体質が如実に出てる番組なんでしょう
けどね、あれって。ま、いいけど。


・11月15日(金)

宿直明けで相撲の取材。土俵真下の砂かぶりであぐらかいてたら、眠い眠い。
頭がぼーっとして、取り組みと取り組みの間に、土俵の対角線をでんぐり返しで
転がって向こうまで行ったら、どうなるかな、って考えてた。まぁ、どうなるも
こうなるも、あっという間につまみ出されて、うちの会社、半永久的に取材資格
剥奪みたいになるんだろうな。相撲協会、冗談が通じそうもないし。
生中継のNHKのカメラはちゃんと追ってくれるだろうか。衛星放送とか、ラジオ
日本とかでも、きちんと扱ってくれるかな。オー、クレイジーカメラマン、とか。
APが写真を世界に配信したりして。日本の国技にマスコミが闖入、みたいな。

まあ、そんなことはどうでもいいんだけど。

あ、そうそう、昨日から、『複雑系』読んでる。すごく面白い!! しばらく
うちの机の上で、積ん読状態だったのに。もっと早く読み始めればよかった。
いやいや、もちろん、内容が全部理解できるわけじゃない。たぶん、ほとんど
分かってないんだと思う。でも、サンタフェ研究所の、存在の特異性というか、
なんだかとてつもない研究が始まりつつあるということは、私にでも分かる。
それと、アメリカ(を中心とした欧米)の、アカデミズムの柔軟さ、というか。
「学際」という言葉、知ってます? いろんな学問分野に及んで、ということかな。
その「学際」が当たり前のように、ある。医学部を出てから物理学を学んだり、
経済学に移ったり、みたいな。たこつぼ的じゃあなくて、いろいろなジャンルの
学問を修めて、自分の追求するものを深めてゆくというか。

なんだかすごく憧れる。ほら日本て、何か一つのことをずっとやる人が尊ばれる
でしょ。転がる石には苔がつかない、って悪い意味で使われるし。アメリカじゃあ、
正反対の意味らしいもんね。どんどん新しい人と違ったことにチャレンジしろ、
今まで自分がやってきたことはすべて活かされる、って感じで。

そろそろ私も新しいことでも始めようかな。何がいいかな。

まあそれはそれとして、『複雑系』読み終わったら、すぐにもう一度読み返して
みたい。いやいや、アメリカの懐の深さに恐れ入る思いがする。ホントに。


・11月17日(日)

ビデオ屋の100円レンタルで借りてきた「ブルー」(山本直樹原作)を
見た。ま、高校生のH系のビデオ映画、かな。うーん、主役の女の子が、
可愛かった。AV女優の副業?だと思ってたら、新人、だと。‥‥新人ねぇ。

特に記すことは何もないのだが、気になったこと、一つ。舞台の高校の
名前が確か、「松島北高校」だったと思うんだよね。ドライブのシーンで、
山本譲二の「みちのく一人旅」が掛かってたし。(歌詞に松島が出てくる)
で、主役の男の子が「南へ、東京に向かって‥‥」と言ってたのに、どう
考えても、車の進行方向が逆なのよね。映画では画面左側に海があって、
海沿いの道を画面奥から手前に向かってクルマが走ってる。これって、
変だよなぁ。このまま行くと北海道へ向かっていくことに、なると思う。
だって松島って、宮城県でしょ。太平洋側だもんね。
細かいかな。ま、いいか。なんか、こういうところに目がいってしまうような、
そんな作りの映画だったということだろうか。んんん。


レオン、テレビでやってたから、途中から見ました。音を英語にして。
ちと吹き替えには堪えられなかったから。やっぱりいいですね。うん。
もういっぺん完全版を見に行こうかとも考えてしまった。いい。
それにしても、エンディング、急に切れて、淀川さんが出てきたのには、
びっくりした。うーん、彼もそんな役回りを演じさせられているなぁ。
思わず同情してしまった。余韻もなにもあったものじゃない。ま、いいけど。

サイトウキネンも、NHK教育でやってた。そのへんにあったビデオテープを
デッキに押し込み、録画ボタンを入れた。知らない曲だったけど、すごく
すごく良かった。迫ってくるものがあって。小沢征爾も、超・良かった。
いつか生で見たい、聞きたい。


・11月20日(水)

『複雑系』を読み進めてます。今、全体の6/7って、ところ。ますます、
読み終わったら、最初からもう一度読み返そうという気持ちを強めている。
本当に、21世紀の科学が進む(べき)道筋を先取りしている、そんなことが
記してある、気がする。読みながら、ドキドキしている。

昨日の朝に書いたMEMO。以下列挙。福岡とアジア。金屑のながれ。
短歌と日本酒。スケールメリット、独占と競争。マック=社会主義。

どうでもいいこと。自分のホームページの片隅の「日記」だから書けること。
きのう会社で「シティ情報ふくおか」の最新号をたまたま見ていた。夜中の2時前
頃。ビールを飲みながら。そしたら、巻頭のカラーのページ、西新の街の
紹介のコーナーで、すごく懐かしい笑顔に出会った。弓削亜也子さんていう
大学生。西南学院大学文学部2年生。いやいや、会ったこと一度もないんだけど、
すごい可愛い。「可愛い」という言い方は非常に誤解を招く言い方だな。
そうじゃなくて、私の好み、というか。一緒か。うーん、なんて言ったら
いいのかな、非常にフォトジェニックというか、どうしても写真撮りたいと
感じてしまうというか、私のDNAが「なんとかしろ」と叫んでいると言うべきか。
他人でいたくないと思うというか、彼女に出会うために僕は福岡に来たのかも知れない
というか。

なんか、今はやりのストーカーみたいで嫌なんだけど。でも私は断わられたら
それ以上は絶対にしないもんね。だって、相手が嫌がってるのに、しつこくするのは
こっちも嫌でしょう。私ぢつは結構プライド高いし。あっはっはは。
笑ってる場合じゃない。

というわけで、超・可愛い女の子、弓削亜也子ちゃんの写真を見たい人は
シティ情報ふくおかを買って下さい。早くしないと次号が出てしまいますよん。
彼女の写真を見た人は、感想を寄せて下さい。いやいや、ホントに可愛いんだから。
生きてるのが厭になるくらい。って言い方は、語弊があるかな。どうかな。


・11月21日(木)

ビデオで「きらきらひかる」を見た。うん、良かったよ。よかった。
松岡錠司監督。原作は江國香織。松岡錠司監督の実力は「バタアシ金魚」で
いやというほど、知らされているし、ずっと前に読んだ原作も、すごく爽やかな
読後感をもったことを覚えていたので、安心して?見ることが出来た。
「バタアシ金魚」で見慣れた場所が、何カ所か出てきてた。私の見間違いで
なければ。カオルがトレーニングで走ってた道路、黄色いナトリウム灯に
照らされた。それから、ソノコが歩いたシロツメクサの草原。松岡監督は
郊外の何となくポカーンとした空間が好きみたいだな。この映画も、
きっと、八王子とか多摩のへんで撮られたものなのだろう。京王電鉄が
「協力」にあげられてたし。あ、それと、トヨタ自動車も。
ウインダム、だっけ。あるでしょ。トヨタのクルマで。あれが映画のなかで
何度も何度もしつこく出てくる。‥‥と私は思ってしまったのだけれど。
医師である夫(豊川悦司)のクルマとして。いかにも、って感じはするけどね。
アッパーミドルクラス、っていうの?よく分かんないけど、若くて
エラソーな人が乗りたがる車だよね。ま、私は絶対乗りたくないタイプの
クルマだけど。そんなことはどうでもいい、ぢつは。

「バタアシ金魚」で見た、役者が何人か、出てた。うれしかった。
カオルの筒井道隆以外にも、プーの土屋久美子がかなり重要な役をもらってた。
うん、彼女、いい味だしてた。それから、気がつかなかったのだけれど、
リリコの大寶智子も出てたみたい。えー、気がつかないくらい、ちょい役かぁ。
結構、バタアシ金魚の彼女、好きだったんだけどな。黒沢明の
「八月のラプソディ」だっけ?にも出てたよね。


・11月22日(金)

今日、晩ご飯を食べるのにテレビをつけた。NHKは時代劇だったので、
教育テレビにしてたら、健康番組。民放のうるさいバラエティやクイズより
いいか、という程度で新聞読みながら見てたら、斉藤英津子さんが、出てた。
驚いた。どうして、NHK教育に今さら出てるの??と思った。

話せば長くなるが、この人、何年か前に土・日のNHKの夜の
スポーツニュース番組に出てた。草野さんの前だと思うけど。なんだか
すごく親しみやすくて、感じが良くて、可愛らしくて、でもって仕事も
よく出来そうで、一生懸命さが伝わってきて、NHKにもこんな女性アナが
いるんだなぁ、といっぺんでファンになった。彼女の顔を、話してる姿を
ずっと見ていたくて、何度か番組をビデオに録画したりしてた。

しばらくして彼女の姿が見えなくなった。きっと転勤で、地方局にでも
飛ばされてしまったのだろう。あの若さで東京で全中(全国放送)の番組を
長く続けるのは、やっぱり組織上の力学もあって、ちと難しいんだろうな、
なんて、そんな風に納得してた。今ごろ彼女はどこかの地方の夕方のローカル
ニュースなんかを読んだり、県内を取材で回ったりしてるんだろうな、と。

しばらくした、ある日、フジテレビのスポーツニュース番組を見ていて、
それこそ、目が点になった。あの愛しの斉藤奈津子が、出てるではないか!
そうか。彼女、NHKを辞めて、フリーになったのか。そんな風に勝手に決めつけて
彼女の姿を懐かしく見てた。彼女の役どころは、メインの男女のアナウンサの
横でいろいろリポートをする準メイン(サブ?)だった。そうか、NHKを
飛び出してフリーになったものの、彼女もいろいろ苦労してるんだな、こんな
ぱっとしないフジテレビのアナのサブやらされてるなんて‥‥、と人生の悲哀を彼女の
笑顔に感じていた。あんまりにも悲しいし、もともとフジテレビは好きじゃないので、
それ以来彼女の姿を見ることはなかった。

で、今日。ほとんど1年ぶりくらいで彼女の姿をブラウン管の中に見つけた。
それもNHK教育。まさかNHKに復帰したなんて、ちょっと考えられない。

そう思って、EasySerch(インターネット上の検索サイト。知らない人は
Yahooで探してね)に当たってみた。そしたらちゃんと引っかかった。

なんだ、この人アナウンサじゃなくて、タレントだったのね。
所属:三桂 関口宏 事務所だって。関口宏の事務所にいるのか。うーん。
学歴:早稲田大学第一文学部卒だって。1970年7月8日生まれだと。私が
67年の生まれで1浪して大学に入り1留して卒業したから、きっと2、3年は
同じキャンパスにいたのね。何か不思議な感慨‥‥。そうそう、大分出身
だったよね。NHKのスポーツニュース番組で、男性アナが言ってた。
「えっちゃんは大分出身だったよね‥‥」。「えっちゃん」てあんた、
そんなに仲がいいのか、このヤロー、なんて怒りを覚えたことを、
懐かしく思い出す。身長155cm。そんなもんだろうね。うんうん。体型は
B80W56H85。‥‥ノーコメント。TBS「サンデーモーニング」にも
出ていたらしい。
なんだか全然日記じゃないが、とにかく斉藤英津子さんには
頑張ってほしい。うむ。

『きらきらひかる』(江國香織著、新潮社刊)を読み返している。
ああ、これだこれ、何年か前にこの文章を読んで、ずいぶんと楽しかった
ことを思い出した。気が利いた表現に笑ってたら、その上に鉛筆で書いた、
小さな丸に気づいた。むかし私が読んだときにつけたものらしい。なんだか
苦笑してしまった。この人の作品、それきりになってしまったんだけど、
いやいや、あと何冊か、読んでみよう。きっと期待に応えてくれるでしょう。

どうも私は彼女のように、理知的で透明感があって、清潔で、ユーモアがあり、
人間が幸せになっていく小説を書く人の作品が好きみたい。池澤夏樹、
宮本輝、彼らもそうだ。

まだ、『きらきらひかる』は5分の2くらいしか読み終えていないんだけど、
なんかため息。原作の方が、映画より、ずっといい。とはいっても、そもそも、
映画と、もとになった小説の出来を、比べることの意味、必要、是非については、
キチンと自分の中で、整理できている訳ではない。ただ、小説を映画に
「移しかえる」ことの難しさを強く感じた。映画を見たときには、
結構いい映画じゃないの‥‥、と思ったけど、原作を読み返したら、
典型的な日本映画の駄作に思えてきた。原作の透明感、清潔感、ユーモア、
それとイノセンス(無垢なさま)、端正な文章表現。それらが全然伝わって
こない。悪いけど。映画のシーンを思い返してみる。みんな、そんなに
悪くなかったよ。豊川悦司も薬師丸ひろこも、筒井道隆も。
うん、悪くなかった。でも、結果として(ということになる)原作の
あの表現世界にぜんぜん肉薄できてなかった。

なぜなのだろう。

一方で、小説と、それをもとにして作られた映画は全く別物なのだから、
比較すること自体がナンセンスだ、という論議がある。

でも、それは違うんじゃない?と言いたい。

前にこのへんのことを考えたのが、「伽耶子のために」(「耶」の字はホントは
ニンベンつき)という映画を見て、そのあとで原作を読んだときだった。
僕は映画の方がずっといい、と思ってしまったのだけれども、あの
本多勝一が、映画は安っぽい恋愛話に堕している(趣意。違ってたら
訂正しお詫びする予定)とエッセイで書いてて、ああ、厳しく言えば
そうなのかな、とほんの少しは納得しながらも釈然としない気分になったのを
覚えている。

もっと自分が見た映画、読んだ小説について、誰かと話し合いたい。
誰かに自分の意見を聞いてほしい。自分とは違うひとの意見を、神妙な
顔をして聞いてみたい。この一点で、パソ通、インターネットのこの世に
存在する意義がある、というもんだ。いや、ホントに。

IIJの吉村さん、辞めたんだ。知らなかった。西南(学院大学)に
講義に来てるのも、ちっとも知らなかった。それと、結婚したのですね。
おめでとうございます。2度目だそうですが。(^^;(^^;(^^;(^^;
近所のファミリーマートでさつま白波一升紙パックと一緒に買った、
NET Liveとかいう雑誌のインタビュー記事で知った。いいなこの人。


・11月×日

こないだ行った、東京の話を書く。

時間に余裕を持ちすぎて昼過ぎの飛行機に乗って羽田に着く。
友達とは5時に市ヶ谷で待ち合わせ。どうしよう3時間も、時間が
空いてる。どうしよう。

仕方がないから、困ったときの秋葉原。LAOXのコンピューター館。
ものを買うところじゃない(と思う)けど、うーん、福岡じゃあ、考えられない
品揃え。何か、嬉しくなってしまう。
NECの新しいTAや、レーザープリンタや、FAXソフトがほしいので、
いろいろ見た。

そのあと、TWOTOPのビルへ。なんか、いいねぇ。初めて行ったんだけど、
5Fのマザーボードコーナーなんて、DOS/V大好き人間の聖地みたいなところ
ですね。ホントに。マザーボードを買ってる人なんて、初めて見た。すごいすごい。
ほかの階も一通り見た。なんにも買う予定なかったのに、あの空間にいると、
何かを買わなくてはいけない衝動に駆られる。そうだねぇ、12倍速ATAPIの
CD-ROM(今は4倍)とか、新しいグラフィックボード(今はstealth
64 VRAM)とか、メモリ(今は48M)とか。ほしいもの、キリがない。
でもなんにも買わなかった。えらいっ。‥‥お金がないの。

そのあと、sofmapのシカゴ館へ行った。ここも広くて、ぶらぶらするのに、
ちょうどいい。いいなぁ、東京に住んでる人は、こういうところに毎週でも
来れるんだなぁ。いいなぁ。ここでは、うーん、ゲームコーナーでH系の
CD-ROMを眺めてた。高いなぁ。高いよ。高い‥‥。
それから、ネクストコムの新しいTAがあった。いくらだったっけ。
最初はこっちをねらってたんだけど、すっかりNECの新製品に決めてしまった。
BACPに対応するって話だし。アナログポート3つだし。停電対応だし。
αLCR対応らしいし。長く使えそう。遊べそう。

まだ約束の時間まではずいぶんある。仕方がないから、お茶の水に向かって、
歩き出した。じつはお茶の水は、私が浪人時代を過ごした、思い出の街なのだ。
日立のビルの横の坂をふーふー言いながらのぼった、駅で電車を待つ人たちを
眺めながら。駅前に来ると、人の多さにびっくり。ずんずん歩き、お茶の水駅を
過ぎて、水道橋まで歩く決意。通ってた予備校の周りにもおしゃれな飲食店なんかが
たくさん出来てて、なんか、街全体があか抜けた感じ。うーん、考えてみれば私が
浪人生活を送ってた頃から、なんだかんだでもう10年近くがたっているんだ。
はぁ。時がたつのはなんと早いのだろう。

水道橋の駅の立ち食いそば屋で肉うどんを食べる。濃い色のつゆを見たときには、
ちょっと自虐的な気分になったが、味はそんなに悪くなかった。ま、うまいという
ほどではないが。やっぱりうどんは牧のうどんだよな。(分からない人はメール)

市ヶ谷に着いて、少し早いかなと思いながら、約束の店へ。地下鉄へ降りる
階段を、女子高生がすごい勢いで飛び跳ねて、降りていった。‥‥パンツ
丸見えだった。パンチラなんてもんじゃない。でもなんか、ぜんぜん嬉しく
なかったぞ。なぜだろう。なぜなんだろうね。

どうも、今日はあまり筆が進まない。なんででしょ。心なしか、キーボートの
キータッチもいつもと比べて若干重いような‥‥。そんな訳ないんだけど。

疲れてるのかな。寝ましょかね。